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医師の報酬格差、「原因は中医協」―財政審で意見

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 財務相の諮問機関である財政制度等審議会(西室泰三会長)は4月21日、「医療提供体制の再構築」をめぐり意見交換した。財務省が提出した説明資料では、病院勤務医の「年収」と開業医の「収入格差」に約2倍の格差があるとしており、委員からは「格差が生じた原因は、まさに中医協の問題だ」「開業医より、勤務医の待遇が良い方が正常な姿かもしれない」などと、“格差是正”を求める意見が出た。

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 財政審終了後の記者会見で西室会長は、社会保障について、今後2回にわたり引き続き審議する方針を明らかにした。財政審は、来年度予算編成に関する「春の建議」の素案を5月中にもまとめ、早ければ6月第1週に提出する見通しだ。

 この日、財務省が提出した「病院勤務医と診療所医師(開業医)の給与の比較」では、厚労省が07年6月に実施した「医療経済実態調査」のデータを基に、病院勤務医の「年収」を1415万円、個人開業医の「収支差額」を2804万円と試算し、両者に2倍の開きがあるとした。
 試算は、介護保険による収入のない医療機関の集計データのうち、同月分の病院勤務医の収入(118万円)と一般診療所の収支差額(234万円)を基にそれぞれ12倍した値。資料によると、開業医の収支差額は「保険診療収入等の医業収入から給与費や医薬品費等の医業費用を差し引いたもの」で、「主に開設医師の報酬となる」としている。
 この日の財政審では、「開業医と勤務医の報酬そのものに明らかに格差がある。格差が生じた原因は、まさに中医協の問題だ」「米国だと開業医の報酬が低いが、日本とは逆に開業医が不足している。米国では地方によって医療の事情が違うが、開業医よりは勤務医の待遇が良い方が、正常な姿かもしれない」などの意見があった。

 会見で西室会長は、「診療報酬の問題は、医療の将来に対する根幹の部分」だと強調。その上で、「今までの診療報酬の決め方について、中医協を批判すべきところはしっかりと批判していく」と述べた。

 一方、社会保障費の自然増のうち毎年2200億円を抑制する政府方針については、「現実的に考えて、2200億円の削減だけを金科玉条にするのが正しいかどうかも論議せざるをえない」と述べた。


更新:2009/04/21 23:00   キャリアブレイン


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