遺伝子の病「プロジェリア」を患っていたアシュリー・ヘギさん、17歳で亡くなる
「プロジェリア」という遺伝子の病にかかり、通常の10倍もの速さで老いていくカナダの少女、アシュリー・ヘギさん(17)が、21日朝に亡くなった。
通常の10倍近い速さで老いていくという難病「プロジェリア」を患いながらも、その過酷な運命を懸命に生き抜いたアシュリーさんが、21日午前9時、母・ロリーさんにみとられて短い人生の幕を下ろした。
アシュリーさんは「うまく言えないけど、死ぬのは悲しいことだけど、必ず訪れるものだと思うの」と話していた。
アシュリーさんが生まれたのは1991年5月23日。
母・ロリーさんが、17歳で産んだ元気な赤ちゃんだった。
しかし、生後9カ月の時にプロジェリアと診断された。
遺伝子の異常によって、普通の10倍近いスピードで年老いていくこの病気は、800万人に1人という難病で、平均寿命はわずか13歳。
そんなアシュリーさんを支えたのが、同じ病を持つジョン・タケット君(16)だった。
アシュリーさんは、ジョン君に淡い恋心を抱いていた。
アシュリーさんは「ジョンとは同じ病気で運命をともにしてきた、唯一の存在なの」と話していた。
アシュリーさんは、ジョン君の住むアメリカ・ミシガン州まで、12時間かけて会いに行った。
ジョン君は、ドラマーになるという夢をかなえるため、懸命に練習を重ねていた。
ジョン君は「人生はどう生きるかなんだ。長さは重要じゃない」と話した。
アシュリーさんとジョン君は、2人きりで楽しい時間を過ごした。
しかし、別れの時は近づいていた。
プロジェリアという運命が結びつけた2人。
ある日、アシュリーさんは「明日、メールしてね」とジョン君と別れたが、この別れが永遠の別れとなった。
ジョン君は16歳でその短い生涯を閉じた。
アシュリーさんは「プロジェリアという病気をどう思っているかは、昔と変わってないわ。わたしがプロジェリアだということには、ちゃんとした理由があるの。神様が与えてくれたものだから、すてきなことなのよ。だから、わたしは大丈夫」と話していた。
アシュリーさんは高校に通いながら、大好きな動物の世話をするために、ペットショップでアルバイトをしていた。
4月17日から体調を崩し入院していたアシュリーさんは、21日午前9時、17歳という若さでこの世を去った。
母・ロリーさんのブログには、「けさ9時に娘を見送り、神の元に召されました。永遠に愛しています」と、娘・アシュリーさんへの思いがつづられていた。
アシュリーさんは「痛みは必ず消えるって知ってるから大丈夫。もし消えなかったら、天国に召される時」と話していた。
痛みと闘いながらも、前向きに短い人生を生き抜いたアシュリーさんは、母・ロリーさんにみとられながら天国へと旅立った。
(04/22 18:38)