2009年4月22日 19時27分更新
5年前、暴力団の組員と共謀して岡山市の男性を殺害したとして殺人などの罪に問われた暴力団組長に、岡山地方裁判所は「共謀を示す十分な証拠がない」として、殺人など大半の罪について無罪とした上で、一部の脅迫を有罪として懲役10か月を言い渡しました。
福岡県内の暴力団組長、池部徹被告(35)は、平成16年に岡山市の住宅の駐車場で、同じ組の組員2人と共謀して元組員で無職の高橋宏通さん(当時31歳)を殺害したなどとして殺人や恐喝未遂などの罪に問われました。
池部組長が一貫して無罪を主張する一方、検察側は懲役20年を求刑し、裁判は組長による殺害の指示があったかどうかを最大の争点に進められました。
22日の判決で、岡山地方裁判所の磯貝祐一裁判長は、「組長の意思や心情を推し量って組員が独断で行動することもあり得る」と指摘しました。
その上で、「組長がほかの組員と共謀したと考えられる十分な証拠はない」と述べて、殺人など大半の罪について無罪とした上で、一部の脅迫を有罪として懲役10か月を言い渡しました。
判決について岡山地方検察庁の岩さき吉明次席検事は、「判決内容を精査し高等検察庁とも協議のうえ適切に対応したい」というコメントを出しました。