SMAPの香取慎吾(32)が映画「座頭市 THE LAST」(2010年公開)に主演することが16日、分かった。座頭市の人生の終わりを描く作品で、映像化されるのはこれが最後となる。故・勝新太郎さんのライフワークともいえる役を演じることになった香取は「挑戦できるという喜びが大きいです」と気合十分で現場に臨んでいる。
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故・勝新太郎さんの当たり役で、日本を代表するキャラクターである「座頭市」。その大役を香取慎吾が演じることになった。「勝新太郎さんが演じられた偉大な役に挑戦できるという喜びが大きいです」。
「座頭市」が初めて映画化されたのは62年。それ以降、勝さん主演で映画が26本、ドラマが100本制作された。その後もビートたけし(62)、綾瀬はるか(23)も演じ、海外でも主人公・市をモチーフにした作品が制作されてきた。
今回、新たに映画化するにあたり、作品を企画した中沢敏明プロデューサーは、市を原作に忠実な大柄でユーモアと男の色気にあふれたイメージに設定。勝版とは違い、妻とのラブストーリーや喜怒哀楽を見せる人間的なシーンもあることから、すべてにぴったりハマる香取に白羽の矢を立てた。
まさかの大役に、最初は驚きを隠せなかった香取だが、昨年6月から殺陣のけいこを始め、阪本順治監督と、入念な打ち合わせを繰り返すなど万全な態勢を敷いてきた。15日に山形県・庄内のオープンセットでクランクイン後も、前向きに役にぶつかっている。
今作は、剣を置き、妻・タネのために平穏な暮らしをすることを決意した主人公・市が、故郷の村のために悪人たちとの戦いに臨む物語。市の人生の最後も描かれる。原作者・子母澤寛さんの遺族から映像化権を任されている中沢プロデューサーは「この先いかなるメディアでも『座頭市』を映像化することはしない」と断言しており、文字通りこれがラスト。香取も撮影が進むにつれ「最後を締めくくれる気がしてきました」と、自信を持って演じている。