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【社説】開城まで呼びつけておいて何だ

 21日に北朝鮮の開城で開かれた南北当局者による接触は双方がそれぞれの立場を一方的に通告し、わずか22分で終わったという。今回の接触で何の成果も上がらないことはある程度予想されていたことだ。

 韓国側代表団は同日午前9時ごろ開城工業団地に到着し、直ちに会談の議題、代表団の構成、場所などを協議するための予備接触を提案した。北朝鮮は韓国側代表団が開城に到着するまで、北朝鮮側代表団を誰が率い、議題が何で、開城工業団地内のどこで会うのかなど、接触に必要な最低限の事柄すら知らせてこなかった。

 そして、現地では工業団地内にある北朝鮮側の中央特区開発指導総局の事務室に来るよう韓国側に指示した。50年を超える南北会談の歴史で、南北双方ともこれほど無礼な対応をした例はない。

 韓国と北朝鮮は同日、7回にわたる予備接触を行った上で、ようやく双方の代表が出席する本接触を行ったが、それもわずか22分で終了した。北朝鮮がこんな対応に出た理由は容易に想像できる。

 北朝鮮は韓国が自分たちの思い通りになる存在であるかのように開城工業団地まで呼び出し、国連の対北朝鮮制裁や韓国による大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への全面参加方針を一方的に非難し、同工業団地を閉鎖することもあり得る、と脅しをかけようとしたのだ。

 国際社会が見守る中で韓国に恥をかかせようとした格好だ。韓国がそんな侮辱を甘受してまで南北接触にこだわれば、それは国の体面をも投げ捨てる行動だ。

 韓国は同日、北朝鮮が面会も認めずに23日にわたり拘束している現代峨山の社員に会いたいと求めたが、北朝鮮はそれさえも拒否したという。

 北朝鮮は最低限の人道的原則すら守らない存在だということを自ら明らかにした。しかし、そんな北朝鮮を相手にせざるを得ないのが、韓国の直面する現実だ。韓国政府は同日の南北接触の結果に一喜一憂するよりも、原則を持って南北対話を継続すべきだ。

 韓国政府は最近のPSI問題をめぐる政府部内の混乱を整理し、対北朝鮮政策を全般的に再検討する作業に着手しなければならない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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