みなさまこんにちは。ツルマキです。
いつも、ありがとうございます。

サンクチュアリ出版は1995年、ひとりの活動的な若者・高橋歩が「自分の本を出したい」という目的で立ちあげた会社です。その高橋歩は1998年にサンクチュアリ出版を引退し、かわりにメガネをかけたこの私が社長になりました。

その後、高橋歩は夫婦で世界一周放浪し、沖縄にアイランドビレッジをつくり、(株)A-Worksという新しい出版社を立ちあげ、ニューヨークに進出しました。その一方で、私はサンクチュアリ出版をがんばって経営しています。

サンクチュアリ出版は設立当初から、同年代である20代にむけて「もっと自由に、自分らしく、熱く生きよう」というコンセプトをかかげてきました。高橋歩の自伝をはじめ、『クロスロード』『自由であり続けるために、僕らは夢でメシを喰う』などのホットユースシリーズは、そのコンセプトを色濃く反映しています。

さらに私が社長になってからは、そのコンセプトに「簡単」「若者」「遊ぶ」の3エッセンスを加え、さまざまな取り組みをしてきました。
とにかく「本屋の面白さを、若者にわかってもらいたい」んです。なぜなら私は、本屋で3年間アルバイトしただけあって、さすがに本屋の面白さをよく知っているからです。本よりも面白いと思っているかもしれません。

そんな私が本屋でアルバイトしていた頃、売れている本は『五体不満足』や『だからあなたも生き抜いて』のようにお昼のワイドショーで話題になったものばかりでした。ヒットを左右するのはオバサン客が中心で、若者はあまり本屋で見かけませんでした。当時、若者だった私もあまり本屋にいなかったくらいです。

そこで出版社の社長になったとき、ふだんあまり本を読まない若者たちが、つい開いてみたくなる本。見た目がカッコいい本、単純におもしろい本を、たくさん本屋に届けていきたいと思いました。

そのための工夫のひとつとして、まずは本を簡単に読めるようデザインに凝りました。いわゆるオーソドックスな本は、文章が縦にグワーッと並んでいるものですが、それを横にして、文字をドーンと大きくしたり、写真をバーンと入れたりしました。
するとなかなかかっこいい本になったので、私はとても気に入り、そのデザインを定着させることにしました。ちなみにデザインするのは私ではなくプロの人です。

それから若者がよくあつまる本屋さんに「うちの本を置いてください」とお願いしました。そしてストリートを歩く若者たちに「ぜひ本屋さんに行ってください」とお願いしました。また、本を作ったり売ったりする仕事を、若者のスタッフにお願いしました。その甲斐あって、サンクチュアリ出版は「若者向けの出版社だ」と自負できるようになりました。

もっとよかったのは、読者といっぱい遊んだことです。 東京23区を使ってオリエンテーリングをしたり、池袋サンシャイン60の展望台を貸しきって巨大カジノ大会を開いたり、お台場のコンサート会場を沖縄の居酒屋に見立てて、沖縄が好きな読者と飲み明かしたりしました。
そうこうしているうちに、読者から「出版社なのに、なんかヘンじゃない?」と評判になりました。これはシメたと思いました。ずっと出版社や本が持つお固いイメージを壊したかったので、まさに私の狙いどおりでした。

今スタッフは20人くらいいますが、本は年間に6、7点しか出しません。1点1点こだわって作り、こだわって売っていきたいからです。これは本当です。
著者を選ぶポイントは、とにかく会ってお話をすること。お話をしてオレたちを虜にする何か、その何かに惹かれる。それが大切なんじゃないかな。本にするより、話した方がもちろん伝わりやすい。話が100なら、本は1にも届かない。だがしかし1万人、10万人の人と話せるかっていったら、それはちょっと難しいじゃない?だから本が代弁するってわけ。著者が持っている…そう、強烈すぎるくらいの何か。それが感じられる瞬間。感じられなきゃダメだぞ。と、日ごろからスタッフにしつこく教えています。そのおかげで私たちはすばらしい著者と出会い、『夜回り先生』『気くばりのツボ』『がんばりすぎてしまう、あなたへ』などのヒット作が誕生しました。

昔から勉強と本が好きでした。出版社で働くことも夢でした。
でもそもそも私は前社長の高橋歩に惹かれて、サンクチュアリ出版に入ったわけじゃないんです。厳密にいうと。ファンでもなかったです。だから一緒に働いていたときには、高橋歩のことをよくわかっていませんでした。でも彼がいなくなってから感じたことがあります。それは私が社長を引き継いでから、ようやくわかりました。こりゃあ大変だって。 高橋歩は決して凹んだりしませんでした。ツラそうだとまわりに感じさせることもありませんでした。「ツラい!けどがんばるしかないじゃん」って前向きでした。それがどれだけ大変なことか。私もツラいです。でも、彼を見習ってなるべく表面には出さないようにしています。

そしてどれだけツラくても、私たちが新しい形にチャレンジしそれをひとつひとつ成功させていくことによってあーこんなやり方もありなんだなということを世間に示していきたいし、みんなにずっと読み続けたい何度でも読み返したいと思ってもらえるよういい本をお届けしたいと思っています。
なによりも私たちは「本の世界の入り口」になりたいです。ハイここから先には楽しいことがたくさんあるんですよーって案内する役割を果たしたい。一番ハッキリしていることはそれです。今ようやくわかりました。

他にもいろいろお伝えしたいことがありますが、
あとはお会いしたときにでもゆっくり。
私からは以上です。ありがとうございました。

 

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