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ミネルバに無罪判決、検察は控訴へ

 韓国政府の経済政策について、虚偽事実を流布したとして起訴されたペンネーム「ミネルバ」ことパク・デソン被告(31)が20日、ソウル中央地裁で無罪判決を受け釈放された。検察は直ちに控訴する意向を示した。

 パク被告は昨年、インターネットの大手ポータルサイト「ダウム」の掲示板「アゴラ」に政府の経済政策に関する虚偽事実を掲載、流布したとして、電気通信法違反の罪で逮捕、起訴されていた。

 判決は「インターネットの経済討論掲示板の性格などを考慮すると、誇張や格式を欠く叙述であっても、パク被告が全面的に虚偽事実だと認識して文章を掲載したとは見にくい。たとえ虚偽事実であっても、公益を害する目的があったとは言いにくい」として無罪を言い渡した。

 パク被告が昨年末、政府がドル買いを禁止する緊急命令を出したという虚偽事実を掲載し、政府の為替防衛政策を妨害したとされたことについて、判決は「パク被告の文章のためにドル買いが増えたとは断定できず、たとえそれを認定したとしても、その程度を数量化することはできない」と検察側の主張を退けた。

 また、パク被告が昨年7月30日に「為替両替業務が全面的に中断される」との文章を掲載し、韓国の外貨準備高が枯渇したかのような虚偽事実を流布したとされる点についても、「当時、実際に外貨準備高が減少しており、インターネット上のニュースにもそのような内容が書かれていたため、パク被告が文章を掲載したものとみられる」とし、検察の主張を認めなかった。

 パク被告は同日午後、京畿道儀旺市のソウル拘置所から釈放され、報道陣に対し、「個人の権利を守ることがどれだけ大変かを考える契機になった。(これで)書けないことはないのではないか」と述べ、引き続きネット上で執筆を続けることを示唆した。

 パク被告の弁護を担当したパク・チャンジョン弁護士は、「時局に絡む事件で無罪は予想していなかった。無罪と聞いて衝撃を受けた」と語った。

 パク被告を起訴したソウル中央地検は「裁判所は証拠選択を誤り、公益を侵害する目的に対する法理を誤って適用した。直ちに控訴する」としている。

 弁護士団体「市民と共にする弁護士団」のイ・ホン弁護士も、「パク被告のようにネット上でうそをついても処罰できる条項は現実的にない。公益か虚偽事実かという抽象的な概念をもう少し詳細に規定し、処罰条項を早急に設けるべきだ」と指摘した。

クァク・チャンリョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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