三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で08年6月、点滴を受けた患者が次々に体調不良を訴え女性(当時73歳)が死亡した事件で伊賀区検は21日、谷本広道院長(58)を業務上過失致死傷の罪で伊賀簡裁へ略式起訴した。
起訴状によると谷本被告は、看護師らがセラチア菌に汚染された消毒綿を使って点滴を作り置きするなど、ずさんな衛生管理をしているのにもかかわらず、診療所を監督する医師としてそのことに気付かずマニュアルを作成するなど院内感染を防止する注意義務も怠った。その結果、08年6月9日に点滴を受けた女性が、10日にセラチア菌感染による虚血性心疾患で死亡。ほかの患者8人にも敗血症の軽傷を負わせたとしている。
谷本整形は08年6月10日の事件発覚以降、診療を中断していたが、11月6日に診療を再開した。【福泉亮】
毎日新聞 2009年4月21日 22時39分
| 4月21日 | 点滴汚染:谷本整形院長を略式起訴 |