和歌山カレー毒物混入事件 1・2審で死刑判決受けた林 真須美被告に午後最高裁判決
1998年7月、和歌山市で4人が死亡した毒物カレー事件で殺人などの罪に問われ、1・2審で死刑判決を受けた林 真須美被告に対する上告審の判決が21日午後、最高裁判所で言い渡される。状況証拠のみで有罪となった1・2審判決を、最高裁がどのように判断するのか注目される。
林被告は1998年7月、夏祭りのカレー鍋にヒ素を混入させて、カレーを食べた子どもら4人を死亡させたとして、殺人などの罪に問われた。
林被告は、一貫して無罪を主張、一方、検察側は、直接証拠がない中、状況証拠を積み重ね、1・2審は林被告に死刑判決を言い渡していた。
2月に行われた最高裁での弁論で、林被告の弁護側は、「林被告には事件を起こす動機がまったくなく、林被告が着ていたTシャツの色は、住民の目撃証言と食い違い、証言は信用できない」などとして、あらためて無罪を主張した。
一方、検察側は、「動機について解明できなくても、犯人でないとは言えない。目撃証言についても、ほかの人と見間違えることはあり得ず、証言は信用できる」などとして、上告棄却を求めた。
判決は、21日午後3時に言い渡されるが、状況証拠のみで有罪となった1・2審の判決を、最高裁がどのように判断するのか注目される。
最高裁判決を前に、林 真須美被告の夫・健治さんが、現在の心境を語った。
健治さんは「こんな脆弱(ぜいじゃく)な書類や証拠で、人1人の命を奪ってしまうと、わたしの中では許せんなと。ニュースが流れた瞬間ね、はたして今の気持ちが維持できるかできないか。真須美や弁護団には悪いんですけど、すべて忘れたい気持ちですね」と語った。
(04/21 11:50)