最終更新: 2009/04/22 01:20

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和歌山カレー毒物混入事件 林 真須美被告の夫・健治さん「妻は犯人ではない」

1998年、和歌山市で起きた毒物カレー事件で、最高裁判所は、1審と2審で死刑判決を受けた林 真須美被告(47)の上告を棄却し、死刑が確定することになった。
真須美被告の夫・林健治さんは午後3時すぎ、「もう当初から予期していました。真摯(しんし)に受け止めて聞いていました」と話した。
突きつけられた妻への死刑判決、あの忌まわしき事件は1998年に起きた。
1998年7月、和歌山市園部地区で、夏祭りで出されたカレーに猛毒のヒ素が混入され、カレーを食べた67人が中毒となり、そのうち林 大貴君(当時10)、鳥居 幸さん(当時16)、田中孝昭さん(当時53)、谷中孝寿さん(当時64)の4人が死亡した。
真須美被告は1998年、「疑惑が晴れて真犯人が捕まった時でも、何かもう...、一生取り直せないものが」と話していた。
和歌山県警は、祭りに参加していた主婦・林 真須美被告を逮捕した。
真須美被告は公判で、一貫して無罪を主張した。
真須美被告は1998年10月、「(1人でカレーを見張られた時間があったのは本当?)見張ったというか。1人の方が帰って、次の方が来た時まで本当に数分、20秒かなっていうくらい」と話していた。
一方の検察側は、目撃証言やヒ素の鑑定結果などの状況証拠を積み重ねることによって、死刑を求刑した。
直接証拠はなく、動機が不明なままだったが、裁判所は1・2審ともに検察側の主張を認め、死刑判決を言い渡した。
21日朝、一通の手紙が夫・健治さんの元に届いた。
手紙には「HELP ME」の文字があり、送り主は真須美被告だった。
健治さんは「かなりの気持ちが入ってると思うんですけど。おたくらが帰ったあと、手紙を見る」と話した。
そして午後3時、判決の時を迎え、最高裁は1・2審と同じく死刑判決を下した。
最高裁は、「被告人が犯人であることは、ヒ素の鑑定結果、目撃証言などを総合すると、疑いを差し挟む余地がない程度に証明されている。犯行動機が解明されていないことは、被告人が犯人であるとの認定を左右するものではない」などと、真須美被告側の上告を棄却した。
これにより、死刑が確定することになる。
林 大貴君の父親・林 雄二さんは「死刑の執行を望みます。早期の執行を望みます」と話した。
鳥居 幸さんの母親・鳥居 百合江さんは「わたしの気持ちの中には、何が『終わり』なんてことは絶対ありません。思い出すことは、あの子が元気だった姿ばかりですので」と語った。
今も足がしびれるという楠山育子さんは「自分に一生つきまとう感じ。動機が見つからない以上、わたしたちは終わらないと思います」と話した。
一方、真須美被告の夫・健治さんは「大きな明白な過ちを犯したように思います。というのは、林 真須美というのは、妻・真須美はですね、毒物カレー混入事件の犯人ではありません」と語った。
真須美被告の弁護士は「直接証拠もないし、彼女にはまったく動機もない。にもかかわらず、今回の判決になって非常に残念」と話した。
真須美被告の弁護側は、再審請求を行う構え。
真須美被告は文書で、「わたしは殺人の犯人ではありません。わたしはカレー毒物事件にはまったく関係しておりません。真犯人は別にいます。もうすぐ裁判員制度が始まりますが、同制度でも、わたしは死刑になるのでしょうか。この冤罪(えんざい)を晴らすために、これからも渾身の努力をしていきたいと思います」とのコメントを発表した。

(04/21 23:59)


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