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曙太郎さん:子供に相撲広めたい…40歳転機に普及活動へ

相撲の指導、普及に乗り出す元横綱・曙さん
相撲の指導、普及に乗り出す元横綱・曙さん

 大相撲史上初の外国人横綱となり、引退後はプロ格闘家に転身した曙太郎さん(39)が相撲の指導、普及に乗り出す。夏にも、在日米国人の子供らを集めて相撲を教え、自ら胸も出すという。角界OBとして古巣の支援を目指し、時には日本相撲協会に対しても直言の突っ張りを繰り出す曙さんに、相撲界や横綱の地位への思いを聞いた。【大矢伸一】

 「相撲をやめてからいろいろやったが、40歳からは次の活動をしようと思っていた。現在あるのは相撲のおかげ。相撲を広めるために、できることをやっていきたい」

 5月8日に40歳の誕生日を迎える曙さんは、こう話す。普及活動として、在日米軍やアメリカンスクールの子どもに相撲を指導し、わんぱく相撲の大会に出場させたり、大相撲に興味のある子供を相撲部屋に連れていくなど、さまざまな形を思い描く。

 昨今の相撲界は、時津風部屋の力士暴行死事件や力士の大麻汚染など問題が続出。曙さんはその原因を「1部屋に親方1人というケースが多く、弟子全員に目が届かないから」と指摘し、「部屋持ち親方になれる資格を厳しくして、部屋数を減らした方がいい」と主張する。

 さらに「弟子の指導には、師匠と部屋付きの複数の親方で当たるべきだ。例えば、A親方はけいこ、B親方は生活指導、C親方はスカウトと仕事を分担できる。一門内で親方が巡回指導したり、もっと協力し合ったらいい」と提言する。

 一方、文部科学省の指導で日本相撲協会が昨年9月に戦後初めて外部役員の起用に踏み切ったことについては「相撲は単なるスポーツではなく、相撲道という道、生き方に通じるもの。道を通ったことのない人に語らせるのはどんなものか」と疑問を投げ掛けた。

 曙さんは第64代横綱として歴代5位の48場所在位し、「日本人の心を持った」と形容された。それだけに「横綱は選ばれる地位。自分で綱を締めたというのは間違いで、周りに締めさせてもらったというのが正しい横綱のあり方」と、横綱像について持論を語った。

 ◇曙太郎(あけぼの・たろう)

 米ハワイ州オアフ島出身。東関部屋に入門し、88年春場所初土俵。2メートル超の長身、230キロ台の巨体、長い腕を生かした突き押しで同期の若乃花・貴乃花兄弟らと出世を争い、93年初場所後、第64代横綱に昇進。96年に日本国籍取得。幕内優勝11回。01年初場所限りで引退。年寄として後進を指導後、03年に日本相撲協会を退職しプロ格闘家に転向した。

毎日新聞 2009年4月21日 15時00分(最終更新 4月21日 15時00分)

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