お名前
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大久保 昇(おおくぼ のぼる) |
プロフィール |
こたえ 日本が国際連合に加入して40周年の1996年、私が理事長をつとめる財団法人日本漢字能力検定協会で、日本人として国連によせる思いを託す「漢字一字」とコメント(人類へのメッセージ)を募集したことがあります。 応募数第一位の漢字は「和」でした。字音は「ワ・オ」、字訓は「なごむ・やわらぐ・やわらげる」でおとなしくする、従う、静まる、おだやか、争わない、あわせる、仲よく助けあう、などの意味をもつ漢字です。 わが国では古くから、聖徳太子の十七条憲法に「和を以て貴しと為す」とあるとおり、「和」をもっとも大事にし、規範としてきたようです。 ところで、貴族院書記官長をつとめた民俗学者の柳田國男(1875〜1962)さんは、昔、江戸期の日本の村では寄合による自治が発達し、寄合は原則として全員一致になるまでゆっくり話し合う合議制だった、だから合議を破る者には村八分の制裁が科せられるのも合理的だった、と言っています。 村人の利害が衝突し対立するような問題でも、寄合で討議し、全員一致になるまでゆっくり話しあい、納得のうえで合意するというものですから、その中で生まれるのが、村の本当の「和」だとおもいます。 民主主義の土台が日本にもちゃんと育っていたというべきでしょう。 |
インフォメーション 著作:「個人・企業の社会貢献 21世紀ビジネスをアメリカに学ぶ」(1998) 「持続可能な社会への英知 世界に学ぶ暮らし方・生き方」(2001) ホームページ http://www.kentei.co.jp |