2007-09-17
■[編集]原作物は編集者の都合で歪む
今日の東京は夏が戻ってきたかのような蒸し暑い一日でした。昔の職場に顔を出して、最近の市場動向について聞いたり、猫たちの食料を買い込んだりした後、編集部に行って作業。どうも徹夜になりそうです。
さて。昨日は「作家選びは編集者の一番重要な仕事。だが原作物の世界ではこの仕事が歪められている」という話をしました。
どんな編集者も、できることなら原作ファンに喜んでもらえるマンガを作りたい、と思っています。ですがこの思いの邪魔をする、作品の外にある事情というものが、編集者にはたくさんあります。
「この作品はあいつ向きだが、あいつはオリジナルで勝負させたい」
「新人に実戦経験を積む機会を与えたい」
「手が空いている作家に仕事をあげたい」
「この企画なら欲しかったあの作家をつれてこれるかもしれない」
「適当な人間がいないが、彼に任せれば無難にこなしてくれるだろう」
作品より自分の都合を優先した瞬間に、作品は歪みます。そして原作物は非常に都合に流されやすいジャンルでもあります。
ではなぜ原作物は都合に流されやすいのか。これには原因が二つあると私は考えます。
次回は二つの原因のうちの一つ。マンガ編集者はオリジナル作品が好きで、原作物はおおむね好きではないという話をしたいと思います。
トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/m_tamasaka/20070917/1190050622