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ラノ漫 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-09-23

カーテンに包まれてお休み中

[]アキバ系コミック誌における「また同人作家か」問題

世のため人のため、「狼と香辛料」の2話のため、小梅けいとさんを自宅に軟禁しています。プロットから概算すると38ページくらいになる(物理的に無理)ので、なんとか30ページ前後に収まらないか格闘中です。


さて。私が仕事をしている界隈では、新連載が始まる時によく「また同人作家か」とか「またエロマンガ家か」という非難の声が聞かれます。「編集者を名乗るなら、外から連れてこないでちゃんと作家を育てろ」ということをおっしゃりたいのだと思うのですが、「やってるけどそれじゃ回らないんだよね」と返してみるのが今日のエントリです。


作家を育てるためには、その基になる作家の卵を多数抱えて、それをふるいにかける必要があります。当然のことながら卵の数が多ければ多いほど、当たりの数も多くなります。


作家の卵の主な供給源は「持ち込み」「マンガ賞」「アシスタント」の3つ。大手出版社は大量の卵を得ることができるので、そこから選りすぐった作家だけで雑誌を作ることができます。これが私どもの界隈になりますと……


「持ち込み」:数が少なく質も低いので期待できません。ちなみに同人作家は「営業はするものでなくされるもの」と思っている節があり、プロになりたいと思っていても持ち込みをする人は少ないです。


マンガ賞」:どの世界の作品の賞も同様かと思いますが、一部の著名なもの以外は応募が少なく、質も期待できません。


アシスタント」:絶対数が少なく、その少ない数の中でやりくりしているので、抜けられるとたいへん困ります。


このような感じになります。私どももちゃんと育てているのです。ただ、卵の数が少ないからデビューまでたどり着ける数はさらに少なく、そんな人数では雑誌は回せないのです。足りない分は外に求めるしかなく、結果としてどうしても同人作家エロマンガ家が多くなります。


「また同人作家か」な雑誌は実は、持ち込みに来てくれる人、自社でデビューすることを目指してくれる人を切望しています。どこだって自分で育てた作家雑誌を作りたいのです。どこに持ち込みに行こうか悩んでいる方、大手の担当付きにはなったけどデビューできずにくすぶっている方、本命のついでに寄れる所でかまいません。持ち込み先を一つ増やしてみませんか?