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ラノ漫 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-10-22

肉球

[]続・ライトノベル雑誌は何が目的で作られているのか考えてみる

前のエントリで「ライトノベル雑誌の目的」とは (1)作家に新作を書かせる (2)単行本や投げ込みチラシではフォローしきれない情報を発信する (3)そのレーベルが何を考え、今後どのような展開をしていくつもりであるのかを表明する ということであろうという話をしました。


ただ、のっけからなんですが、商業誌であるからには当然のこととして「利益を出す」という本音の部分での目的もあります。雑誌は大きく分けて(a)雑誌そのものの売り上げ (b)広告収入 (c)単行本の売り上げ (d)関連商品の売り上げ の4種類の組み合わせから利益を得ています。


ちなみに、世の中のほとんどの雑誌は(a)だけでは赤字です。マンガ誌や小説誌は(b)とはあまり縁がないので、足りない分は(c)か(d)でサポートする必要があります。


さて。ここからはライトノベル雑誌4誌を2つのグループに分けて、その性質の違いについて考えてみたいと思います。


月刊ドラゴンマガジン:1988年創刊・月刊

富士見ファンタジア文庫:1988年創刊


ザ・スニーカー:1993年創刊・季刊→隔月刊

角川スニーカー文庫:1988年創刊


電撃hp:1998年創刊・季刊→隔月刊

電撃文庫:1993年創刊


Novel JAPAN→キャラの!:2006年創刊・月刊

HJ文庫2006年創刊


ファウスト文芸誌を自称しているのと、いろいろややこしいので除外します。


ドラゴンマガジンとNovel JAPANは、「レーベル立ち上げとほぼ同時に創刊」した「月刊誌」です。これはつまり、これらの雑誌は自レーベルから毎月リリースされる新刊の情報を、積極的にサポートすることを前提に作られている、ということを意味します。なお、利益は主に月刊連載で書き貯めた作品の単行本収入からのものを見込んでいると思われます。


ザ・スニーカーと電撃hpは「レーベル立ち上げの5年後に創刊」された「隔月刊(はじめは季刊)誌」です。この成り立ちから、これらのレーベルは元々雑誌依存していないことがわかります。また隔月刊のスピードでは原稿が溜まるのが遅すぎるので、連載作の単行本の利益依存するのは難しいと思われます。


ザ・スニーカー電撃hpの目的はおそらく、単行本や投げ込みチラシではフォローしきれない情報を、後方支援的にサポートすること。そして単行本ではできないことを、雑誌を使ってやることだと思います。後者のわかりやすい例としては、「電撃コラボレーション」「公式海賊本」をあげることができます。


なお、単行本だけでは足りないであろう利益は、関連商品の誌上通販でまかなっているのではないかと思われます。公式海賊本は趣味と実益を兼ねたとても良い企画だと思います。


まとめます。ドラゴンマガジンとNovel JAPANは、原稿を集めるのと情報を発信するのを、積極的に行うことを主な目的とした雑誌ザ・スニーカー電撃hpは、レーベルを後方からまったり支援しつつ、単行本ではできないことをやるのを目的とした雑誌だと思いました。秋山真琴さん、いかがでしょうか?


※追記

途中から電撃hpの話だけになり、ザ・スニーカーを放置した文章になっていたので、ザ・スニーカーのほうは棒線で消しました。改めて読み返してみると、えらく無個性でなに考えてるかわからない雑誌ですね。ザ・スニーカー