2007-10-31
■[編集]カタギの人の目には「こちら側」がどう映っているのかを考えてみる
多摩坂です。私は大学に入ってからLeafの「痕」に出会い、その時にはじめて「こちら側」の世界に興味を持ちました。ただ、それ以前、高校生まではわりとふつうの人をやってましたので、その頃の感覚も持ち合わせているつもりでおります。
さて。今日私がお題として取り上げたいのはこれです。
「漫画・イラストも児童ポルノ規制対象に」約9割──内閣府調査
内閣府が10月25日発表した「有害情報に関する特別世論調査」によると、実在しない子どもに対する性行為などを描いた漫画・イラストも規制の対象とすべきという回答が約6割に上り、「どちらかといえば規制すべき」との合計は約9割に上った。
現行の児童ポルノ法は漫画・イラストを規制対象にしていない。調査では58.9%が「規制の対象にすべき」とし、「どちらかといえば対象とすべき」との合計は86.5%だった。一方、「どちらかといえば対象とすべきでない」は6.6%、「対象とすべきでないは2.5%」にとどまった。「わからない」は4.5%だった。
「こちら側」の人間にとっては噴飯ものの意見です。ですが、私にはふつうの人がこのように答える理由もよくわかります。その理由を今から挙げていきます。
(1)実在しようがしまいが、児童ポルノであることに変わりはない
児童ポルノが忌むべきものなら、児童を扱ったエロマンガもまた忌むべきものであるという、短絡的ですがわかりやすい考えかたです。エロマンガで自己完結している分には誰にも迷惑はかからないのですが、ふつうの人はそんなところまでは考えが及びません。
エロマンガやエロゲーで抜くという嗜好は、日本人全体で見るとごく少数派に属するため、ふつうの人から見ると奇異に映ります。次のような例で考えるとわかりやすいかもしれません。もし仮に自分が一児の親だとして、子どものベッドの下からAVやグラビア写真集が出てきても、そういう年頃だと思うだけで別に心配はしないでしょう。でも、出てきたのが「コミックLO」だったり「二次元ドリームマガジン」だったりしたらどうでしょうか。心配になりませんか?
(3)自分たちは関係ないから、規制されても別に困らない
ドイツの神学者マルチン・ニーメラー氏は、ナチスが行った数々の弾圧を傍観したことを悔やんで、次のような有名な言葉を残しています。
はじめにやつらは共産主義者に襲いかかったが、私は共産主義者ではなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらは社会主義者と労働組合員に襲いかかったが、私はそのどちらでもなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらはユダヤ人に襲いかかったが、私はユダヤ人ではなかったから声をあげなかった。
そして、やつらが私に襲いかかったとき、私のために声をあげてくれる人はもう誰もいなかった。
あともう一つ、ふつうの人が「こちら側」に対して理解がないことの理由として、絵柄の問題についても言及しておきたいと思います。
大学に入るまで私は「こちら側」にまったく理解がなかったのですが、その理由の一つに「絵が異質で気持ち悪い」というのがありました。ふつうの人だった私にとって、「こちら側」の絵は
「目が異様に大きくて、頭身が低く、髪の毛がカラフルで、変な格好している」
ものでした。よさがわかるようになったのは実際に遊んでからです。
マンガも客層によって絵柄がだいぶ違います。ジャンプしか読んだことがない人にいきなりをコンプティークを読ませても、内容うんぬん以前に絵柄に違和感を感じて、楽しむのは難しいのではないかと思います。次にあげる記事も参考になるかと思います。
海に流しぬいとすこしを:ここは桃色書店…じゃない。
江戸時代には「春画」というものがありまして、現代人には理解しがたいことですが、江戸時代人はこれで抜いたりしておりました(魔除けや火除け・弾除けのまじないでもあったようですが)。