2007-12-22
■[編集]単行本のオビのお話
MORI LOG ACADEMY:オビはいらない
僕は文庫を買うことが多い。新刊を買うようなことはまずないので、オビがない本がほとんど。すると、カバーの下が間抜けにスペースがあいている馬鹿なカバーデザインの本が多数だ。デザイナはきっとこのジレンマに苦しんでいるだろう。編集者は、文字しか目に入らない活字人間だから、あまり気にしていない。営業の人はオビの「フェア」の文句しか見ていないし、オビで本が売れると信じている。もし、オビで本が売れているのが本当なら、「作者は怒れよ」と思う。
「新刊を買うようなことはまずないので」という余計な一言がかなりどうかと思うのですが、それはさておき。オビで本は売れるかというと、答えはこちら。
asahi.com:既刊文庫、仕掛けて売れ オビ変えたら60万部
刊行から13年たった文庫本が今年突然、累計60万部のベストセラーになった。きっかけは本に巻くオビの文言を変えたこと。発売から時間がたっても「仕掛ければ売れる」と業界を活気づけた。ロングセラーの定番本と読み捨てのペーパーバックに二極化している文庫の世界で、新しい“売れ筋”をどう作り出すか、関係者の試行錯誤が続く。
個人経営の小規模書店が共同仕入れなどをするための有限会社NET21は、昨年から文庫担当者の投票で1点を選び、共通のオビをつけて加盟40店舗で重点販売している。今東光『毒舌・仏教入門』(集英社文庫)、田辺聖子『川柳でんでん太鼓』(講談社文庫)といった渋い名作が、確実に売れるという。
このようにやることやれば結果はちゃんと出るわけで、そうである以上はオビを付けないわけにはいかないわけです。
オビ付きの本のカッコ悪さを嘆いたところで仕方がありません。オビがあることを前提にしてそれでもカッコイイデザインになるようデザイナーにお願いするなり、オビをとってもバランスがおかしくならないようカバーデザインを調整してもらうなりして対応していくしかないのではないでしょうか。