2008-01-06
■[編集]嫌がられるけど売れてしまう、付録付き雑誌のお話
今日の一枚
呼んだ?
かさばる&グッズに興味がないので、付録は開封後即ダストシュート行きの多摩坂です。私はマンガに用があるンだッ!!
さて。今回のお題は「マンガに関係ない物をなんで雑誌の付録に付けるの?」です。値段は上がるわかさばるわ縛られてて立ち読みができなくなるわで、マンガ読みの皆様に大変評判のよろしくない雑誌付録ですが、付く頻度は上がる一方で衰える気配がありません。これはなぜなのかについて書いてみたいと思います。
付録を付ける第一の理由は、身も蓋もないですが「付けたほうが売れるから」です。付録で売り上げがどのくらい上がるのかは読者の側にはうかがい知れないわけですが、これが実にばかにならない数だったりします。男の子向け雑誌の場合、出来のいいフィギュアが付くと、場合によっては普段の倍以上の部数が出ることがあるくらいです。付録の力はことほど左様に強力なわけで、そうなるとG’s Festival Comicみたいな、どっちが本体かわからないような雑誌が出てきたりもするわけです。
電撃G's Festival (ジーズフェスティバル) 2008年 03月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 角川(メデイアワークス)
- 発売日: 2008/01/19
- メディア: 雑誌
第二の理由としては「新規の顧客を開拓したい」というのがあります。フィギュア目当てで買ってくれた人が雑誌にも興味を持ってくれたらめっけものですし、人気作品を単行本でしか読んでいなかったファンを、関連商品の付録で引っ張ってこれたら、彼らを取り込めるかもしれないと考えるわけです。ただ現実は厳しく、実際のところは付録でドーピングした部数を維持することは、どこもそうそうできないようです。
第三の理由は「話題作り」です。マンガ雑誌だったらマンガで話題を作れと言われそうですが、小畑健の新連載をもってしてもジャンプの部数は5万部しか増えなかったというのは以前にご紹介したとおりです。付録で釣ったほうが宣伝が打ちやすく、かつ即物的な部数増が見込めるので、どうしても付録に流れてしまうわけです。
※参考
マンガ雑誌の部数が下げ止まらず、良い作品を作っても単行本を買われて雑誌の方には流れてこなくなってしまった現在、過酷な環境で生き残るためにマンガ雑誌がたどり着いた結論が「付録」。ですので、マンガ読みのかたには申し訳ないですが、雑誌存続のためのお布施だと思ってご理解いただければと思います。