Google Book Search

Google ブック検索和解契約

著者、出版社、著作権所有者の方は、和解管理サイトをご覧ください。

Google ブック検索のこれから

著者および出版社との画期的な契約


Authors Guild、米国出版社協会 (Association of American Publishers)、および一部の著者と出版社は、3 年前に Google ブック検索に対する集団訴訟を起こしました。

本日、この訴訟が和解したことをお知らせいたします。今後 Google は、原告であった出版業界のパートナーの方々と協力して、世界中からより多くの書籍を検索可能にし、このサービスを充実させていきます。和解によって可能になった出版業界と Google の協力によって、それぞれが個別に活動するよりはるかに充実したサービスを提供し、著者、出版社、研究者、および読者の方々に今後さまざまな機能や利益をご提供できるものと確信しています。

和解契約が裁判所で最終的に承認され成立するまで、しばらく時間がかかる見込みです。さしあたり、和解によって間もなく米国でご提供できる新しいブック検索の一部を参考までにご紹介します。(この和解契約は米国における訴訟の解決となるもので、和解契約によって可能になる新しい機能が利用できるのは、米国内でブック検索にアクセスするユーザーのみです。日本で提供されるブック検索の機能はこれまでと全く同じでなんら変更はありません。)

  1. 現在のブック検索
  2. ブック検索の変更点
  3. 3 種類の書籍
  4. 版権レジストリ
  5. 図書館と大学
  6. 今後の展望

現在のブック検索

現在、Google ブック検索では 700 万冊以上の書籍の全文を検索できます。 実際に検索してみてください。


書籍を対象としたブック検索だけでなく、Google のトップページでご提供しているウェブ検索でも、同時に書籍インデックスも検索します。関連する検索結果が表示され、それをクリックするとブック検索の該当ページに移動します。ここで、その書籍の中身を数ページ閲覧したり、借りる場所や購入する場所を確認したりできます。



Google.com での書籍検索結果



ブック検索の書籍ページ

Google ブック検索に登録されている書籍は、次の 2 つから提供されています。

図書館プロジェクト

Google では、世界中の著名な図書館と提携し、蔵書をブック検索に登録しています。図書館プロジェクトで登録された書籍のうち著作権保護期間内の書籍については、図書館カード カタログのような形式で、書籍の情報と、検索キーワードを含む文章の一部(数行)を表示します(これをスニペット表示と呼びます)。

図書館プロジェクトで登録された書籍のうち著作権保護期間が満了しているものは、全文を読むこともダウンロードすることもできます。



著作権で保護された書籍の
スニペット表示



著作権が失効した書籍の
全体表示



パートナー プログラムの書籍の
一部表示

パートナー プログラム

Google では、20,000 を超える出版社や著者と契約を結び書籍を検索できるようにしています。書籍を見つけたら、書店や図書館で手にとって中身を確認するのと同じように、オンラインで数ページを閲覧することができます。また、その書籍を購入できる書店へのリンクも表示されます。

パートナー プログラムについての詳しい情報や書籍の登録を希望される場合は、こちらをご覧ください。

ブック検索の変更点

  • 米国内のユーザー

    和解契約が承認されると、Google と出版界のパートナーは、Google で検索、閲覧、購入できる書籍の数を大幅に増やすことができるようになります。

    絶版または市販されていない書籍

    これまで、図書館プロジェクトを通じてスキャンされた書籍のうち、著作権保護期間内のものは、本文の一部だけがスニペット表示されていました。このような書籍のほとんどは絶版になっているか市販されていないため、実際に書籍を読みたいときには、書籍を提供した図書館や古書店に行って探すしかありませんでした。



    スニペット表示



    一部ページ表示



    全体表示 (有料)

    今回の和解契約により、このような絶版等により現在では入手できない書籍の一部のページを表示したり、書籍全体のページを表示するアクセス権を購入したりできるようになります (米国のみ)。ブック検索で図書館プロジェクトを開始したそもそもの理由のひとつは、絶版または市販されていない書籍でも継続して入手できるようにすることでした。Google と、著者、図書館、出版関係のパートナーシップによって、人類の知の資産をこのような方法で守ることができるということを大変嬉しく思います。

    書籍へのアクセス

    書籍の本来の目的である、全文を読むという新しいオプションが新たに提供されます。

    • オンライン アクセス

      膨大な書籍のページを制限なく表示・閲覧することのできるオンライン アクセス権が購入できるようになります(著者や出版社はこれによって絶版の書籍から収益を得ることができます)。これにより、読者はインターネットに接続されたコンピュータを通じて、書籍の全文を読むことができるようになります。ブック検索のアカウントにログインするだけで、アクセス権を購入した書籍は電子書棚に残すことができ、読みたいときにいつでもアクセスして読むことができます。

    • 図書館や大学へのアクセス

      図書館や大学をはじめ、さまざまな団体、企業、組織が有料の購読を利用できるようになります。これにより、ユーザーは膨大な蔵書の全文にアクセスできるようになり、同時に著者や出版社にはこのサービスに対する報酬が支払われます。学生や研究者は、米国内の著名な大学から提供された蔵書をまとめた電子図書館にアクセスできるようになります。米国内の公立図書館や大学の図書館は、数多くの絶版または市販されていない書籍の全文にアクセスできる端末を提供することもできます。

    • 書籍を購入する/借りる

      読みたい書籍が書店や近隣の図書館で入手できる場合は、これまでどおり入手方法を表示します。

  • 米国外のユーザー

    この和解契約は米国における訴訟の解決となるもので、和解契約の影響を直接受けるのは、米国内でブック検索にアクセスするユーザーのみです。米国外におけるブック検索の機能は和解契約による変更はなく、これまでと全く同一です。しかし、Google では将来的には各国の業界団体や個々の権利者と協力して、この和解契約がもたらすメリットを世界中のユーザーに広めたいと考えています。



3 種類の書籍

今回の和解契約により、ユーザーは Google ブック検索に登録されているさまざまなカテゴリの書籍にアクセスできるようになります。

  1. 著作権で保護された、刊行中または市販されている書籍

    刊行中または市販されている書籍とは、出版社が現在販売している書籍で、書店などで見つけることができるものをいいます。著者や出版社が「一部表示(プレビュー)」および「購入」モデルを有効にすることで、ブック検索を通じて書籍を簡単に入手できるようになり、刊行中または市販されている書籍のオンライン市場が拡大します。

  2. 著作権で保護された、絶版または市販されていない書籍

    絶版または市販されていない書籍は、今では流通していないため通常は入手することができません。このような書籍を入手する唯一の方法は、図書館や古書店で探すことです。和解契約が承認されると、絶版または市販されていない書籍の一部のページの閲覧がオンラインで可能になり、また、全文を閲覧するためのアクセス権を購入できるようになります。ただし、著者や出版社がその書籍を「無効」に設定した場合は適用されません。この機能は、マーケットから姿を消した書籍から著者や出版社が利益を得ることを可能にします。これにより出版業界には大きな収益の機会がもたらされるでしょう。

  3. 著作権保護期間が終了した書籍

    著作権保護期間が終了した書籍をブック検索で表示する方法はいままでと同じです。ブック検索のユーザーは、これまでどおり書籍を読んだり、ダウンロードしたり、印刷したりできます。



版権レジストリ

和解契約により、独立した非営利の版権レジストリという組織が設立され、著者、出版社、その他の権利者の代理として機能します。このレジストリは書籍の権利者を確認・特定して、和解契約に基づいて書籍から得られた収入をを受け取れるようにするものです。この重要なイニシアチブについて詳しくは、和解管理サイト、Authors Guild、または米国出版社協会 (AAP) のウェブサイトをご覧ください。



図書館と大学

膨大な蔵書を保管し、現在は Google と提携してそれらをオンラインで公開している図書館の存在がなければ、今回の和解契約は合意に至らなかったでしょう。和解契約により、図書館や大学が単独で保管する蔵書を超える膨大な数の書籍に、利用者や学生がアクセスする新たな機会が得られます。

団体・企業による購読と無料の一般アクセス用端末の他、研究者がブック検索のインデックスにある膨大な書籍を研究に利用できるようになります。研究者が機関を通じて申し込みを行うと、実際に個々の書籍を読むことなく、インデックスを通じてコンピュータによる問い合わせができるようになります。



今後の展望

「Google の使命は、Google 独自の検索エンジンにより、世界中の情報を体系化し、どこからでもアクセス可能なものにすることです。今日、著者、出版社、図書館の皆様と共に、Google はこの目的に向けて大きく飛躍することができました。」と Sergey Brin (Google 共同創設者兼技術部門担当社長) は言いました。「この和解契約はすべての関係者に利益があるものですが、最も利益を得るのは読者の皆さんです。読者の皆さんは、世界中の本にある非常に豊富な知識を、簡単な操作で得ることができるのです。」

出版業界の友人やパートナーと共に踏み出したこの大きな一歩が、最初の一歩となり、さらに発展することを願っています。ブック検索の最も大切な目標は、書籍だけではなく、著者や出版社が長期にわたって活躍できる機会を提供するサービスとして発展することです。