2007-10-30
■[お仕事]電撃G'sマガジン12月号
多摩坂です。前回の日記の後袁藤さんの原稿に全ボツをくらわせたり、2人で徹夜で新作の相談をしたり、深山さんのサイン会に行ったり、某新連載の1話のテキストの手入れをしたり、こがんの手術をしたり、よくわからない経緯でよくわからない面子と牡蠣を食ったりしておりました。書きたいことはたくさんあるんですが、なかなかままならないものです。
さて。本日電撃G'sマガジンの12月号が発売されました。
電撃G'smagazine (デンゲキジーズマガジン) 2007年 12月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 角川 (メディアワークス)
- 発売日: 2007/10/30
- メディア: 雑誌
しゃあさんのCLANNAD5話が掲載されています。今までかなりシリアス進行だったので、今回は息抜きもかねた軽めの回になっています。はじめての月刊連載でかなり疲労ぎみですが、温かい目で見てやっていただけますと幸いです。
2007-10-27
■[お仕事]電撃マ王12月号&ガオ12月号
多摩坂です。今日は大雨の降るなか動物病院に行き、こがん(今日の写真のネコ)の避妊手術の相談をしてきました。週明けに手術をする予定です。
さて。今日も仕事の宣伝が2件あります。まず1件目。電撃「マ)王の12月号が本日発売されました。
- 出版社/メーカー: 角川 (メディアワークス)
- 発売日: 2007/10/27
- メディア: 雑誌
「狼と香辛料」の2話目が掲載されております。前回ほぼ顔見せだけで終わったホロが、表情をころころ変えながらロレンスと話します。
余談ですが、今回打ち合わせをしていて「ニョッヒラ(北にある温泉町)の温泉は屋内か屋外か」という話になりまして、ヨーロッパの温泉について調べていたところ、こんな記事を見つけました。
北欧の風呂は屋内でサウナという印象が強いのですが、支倉先生のイメージやこれらの記事から、ニョッヒラは露天温泉になりました。小説をビジュアル化すると思わぬところで手間がかかるものです。
閑話休題。2件目はガオ12月号です。こちらも本日発売です。
- 出版社/メーカー: 角川 (メディアワークス)
- 発売日: 2007/10/27
- メディア: 雑誌
どういうわけかこちらでも「ななついろ★ドロップスPure!!」でお風呂イベントが発生しております。「バッカーノ!」のほうは色気のない展開です。今回レイルトレーサーがちょっとだけ顔見せします。
2007-10-26
■[お仕事]「乃木坂春香の秘密」1巻&電撃萌王12月号
茶トラの縞が愛らしい著者近影の某先生から「床屋政談に政治家が出張って冷や水を浴びせるのはどうなんでしょう」と言われた多摩坂です。
昨晩は某作品の打ち上げのあと、某作品の単行本作業を泊まりこみでやっていたので日記はお休みしました。今日は「乃木坂春香の秘密」がらみでおしらせが2点あります。
1点目。電撃コミックス「乃木坂春香の秘密」1巻が明日発売になります。
初期の原稿はかなりつたないものの、最近はなかなかあなどれない感じに成長してきている、深山靖宙くんが作画を担当しております。初単行本ということもあって、結構気合いを入れて作ってますので、原作ファンはもちろん、絵が気になった人も一度ご覧いただけますとうれしいです。
2点目。電撃萌王の12月号が本日発売されました。
- 出版社/メーカー: 角川 (メディアワークス)
- 発売日: 2007/10/26
- メディア: 雑誌
「乃木坂春香の秘密」は今月号で原作1巻をほぼ消化した形になります。2巻以降も粛々と描いていきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いします。
■[編集]「やりたいこと」と「売れること」は対立しない
ある編集者の気になるノート:「面白い」だけの本も、「売れる」だけの本も、僕は作りたくはない。
aru-henshusha様からトラックバックをいただきました。お書きになられている考えについてはほぼ全面的に賛成なのですが、今回気になったのはうちと一緒にリンクが張られていた、こちらの記事のほうです。
未公認なんですぅ:「売れそう」と「おもしろそう」
「おもしろい」と「売れる」の両方は難しいけど、どちらか片方ならいけそうなことはある。そのときに、「おもしろいけど、あまり売れなさそうな本」と「おもしろくないけど、売れそうな本」のどちらかを選んでつくれといわれたら、やはり自分は前者を選んでしまうだろう。
「おもしろいけど、あまり売れなさそうな本」と「おもしろくないけど、売れそうな本」。この不毛な二者択一問題で悩む作家を、私はたくさん見てきました。私だったらどちらもご免こうむると言って逃げるのですが、律儀に片方を選んで消えていく作家が実に多いのです。
「面白いけど売れない」ものというのは、間口の狭い、マニアックなものです。「LEON」の創刊編集長として知られる岸田一郎氏は、著書「LEONの秘密と舞台裏」で次のように語っています。
「オタク」なものになればなるほど、読者はどんどん減っていきます。もし、一部のマニアックな人たちから
「今までこんな凄いものはなかった!」
といわれるほどの雑誌ができたとしても、それを理解して賛同してくれる読者の絶対数というのは、思った以上に少ないという場合がほとんどです。
私の感覚では、作り手の「自己表現度」といったものが高いほど、読者はかえって少なくなる。雑誌とはおしなべて、そういうものなのです。
LEONの秘密と舞台裏 カリスマ編集長が明かす「成功する雑誌の作り方」
- 作者: 岸田一郎
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2005/08/31
- メディア: 単行本
「面白くないけど売れる」ものというのは、大衆受けするもの、マニアから見るとぬるく見えるものです。ポケモンのメディア展開の仕掛人として知られる久保雅一氏は、東映アニメーション研究所で行った対談で次のように述べています。
結局、いいものを見分ける能力は、特別なものではありません。自分がいいと思うその気持ちが、国民の最大公約数になればいい。
自分がいいと思うものが、尖った作品ばかりだとその人は難しいかもしれません。どちらかというと、平凡ですごくフラットな感覚を持った人がいいです。
例えば、『私がいいと言った歌手とかタレントとかは絶対売れるのよ』と自慢する人がいたりします。それは何もスペシャルな能力でなく、あなたは日本国民の最大公約数の中にいますということだけです。
どこまでも自分は普通であろうとする努力は大切だと思います。それは、世の中でヒットしたものを見た時に、直感的にいいなと思えることです。
自己表現にこだわると売れなくなる。かといって国民の最大公約数をやるのもつまらない。ではどうするか。私はクリエイターに、どちらかと言わずにどちらにも適度に手を出すやりかたで行ってほしいと思っています。
たとえば「もやしもん」は菌や農大といったマニアックな題材を扱っています。普通なら売れるはずもありませんが、菌をかわいらしく描いたり、酒に傾斜した発酵食品の取り上げ方をしたり、大学生活を面白く描くことで一般人も取り込み、アニメ化まで果たした人気作になりました。なんでもやりようはあるということです。
やりたいことと売れることは両立できます。難しいですから相当悩むことになると思いますが、どちらかを安易に選んで不毛な悩みを抱き続けるよりはずっとましです。どうせなにをやっても悩むことになるのなら、まずは出だしで死ぬほど悩むべきだと私は思うのです。
最後に、福島正実氏が「未踏の時代」で語っている、「SFマガジン」創刊時の考えかたを引用して今回の締めに代えたいと思います。
もしSF雑誌を曲がりなりにも成功させようとおもうなら、まず第一に、SFファンを無視してかからなければならない。SFファンを読者対象としてあてにしてはならない。SFファンのための雑誌しかできないようなら、最初から出さない方がいい――ぼくは、こう考えた。
2007-10-24
■[お仕事]売上30億円のライトノベル作品 その担当編集者に密着
「灼眼のシャナ」コミック版2巻の帯にこっそりツンデレという言葉を仕込み、見つかって怒られたことのある多摩坂です。結局通りましたけど。
今日は雑誌を一冊ご紹介します。本日発売の月刊 ascii12月号です。
月刊 ascii (アスキー) 2007年 12月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2007/10/24
- メディア: 雑誌
この号の「おとなの社会科見学」というコーナーで、電撃文庫の三木一馬が密着取材されております。
三木一馬は「灼眼のシャナ」や「撲殺天使ドクロちゃん」、「とある魔術の禁書目録」、最近だと「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」などを立ち上げて担当している編集者です。冒頭のツンデレの話で私を怒った人で、このblogを衆目に晒した張本人でもあります。
記事のタイトルは「売上30億円のライトノベル作品 その担当編集者に密着」。このblogを見に来るようなかたなら、かなり興味深く読める内容だと思います。なぜか私も出てきてなんかしゃべってますので、よろしければご覧ください。
編集部に質問状:撲殺天使ドクロちゃん 最新刊は初の大長編でお届け