2008-11-21
■[その他]伊勢丹新宿〈へうげもの展〉に行ってきた
山田芳裕「へうげもの」から生まれた若手陶芸家ユニット「へうげ十作」。彼らの新作の展示即売会である〈へうげもの展〉を見に伊勢丹新宿本店に行ってきました。係の方に撮影の可否を聞いたところ、「会場全体を写すのでなく、作品を撮られるのであればOKです」という返事をいただいたので、今回は作品の写真を中心にお送りします。
作品の前か横には作品名と価格を書いた札が、会場の要所要所には「へうげ十作」の作り手たちのプロフィールが掲示されています。
大小様々な器の他に、「へうげもの」のコマの抜き置きや盆栽があしらわれていました。
右は非売品のへうげた干菓子。ほ……欲しい。
超本格的な茶道具も並んでいました。ここから茶の湯の道に入る人が出るかも。
会場中央にオブジェとして並べられていた、手彫りの和菓子の木型たち。ちなみにこれらも購入できます。
茶器というよりはマジックアイテムと呼んだ方がしっくりきそうなものもちらほら。
宗匠好みの黒い茶器たち。
安土桃山文化を作り上げた織部の精神を"オリベイズム"と呼ぶ。
意外にこじんまりとしたギャラリーでしたが、普段接することのない若手陶芸家の「今焼」が結構な刺激を投げかけてくる良いイベントでした。伊勢丹新宿本店5階で25日まで開催してますので、都内にお住まいで興味がある方は見てみることをおすすめします。
■[その他]〈へうげもの展〉購入物
〈へうげもの展〉の話の続きです。紹介を始める前に、改めて購入物を確認してたんですが、四つのうち三つが同一人物の作品でした。残りのひとつは「へうげ十作」の作品ではないので、実質ひとりの作者の作品しか買っていないことになります。そんなわけで、その作者である「鈴木卓」さんをプッシュしておきます。
新鐘74 早稲田に聞け!
さて。では本題。
一品目はごくオーソドックスに茶碗。宗匠好みの黒ーいやつが欲しかったのですが、展示品の黒いやつはどうも…なんというか…禍々しさが足りないんですよね。茶器は戦国大名をも狂わせた魔性の器ですから、所有するならそれらしい趣のあるものが欲しい。そんなわけで選んだのがこれです。いい味が出てます。
お次はなんとマグカップです。白い茶碗がメタモルフォーゼを起こしたような、「くぼおっ」と突き出た巨大な取っ手がとても愛い奴。軽くてとても使いやすい、今回の買い物で一番のお気に入りです。
三点目は和菓子の木型。なにげに凶悪で禍々しいフォルムのサザエを、職人が熟練の手技で彫り抜いた素敵な一品です。サザエの形をした和菓子ってどんなやねん。
最後は泉信行さんの飲み会の時に、参加者の学生さんに何か買ってきてと頼まれたのでそれ用の一品、黒錆彩酒盃。日本酒が似合うにくい奴。
満足感の高いなかなかよい買い物でした。
2008-11-20
■[書評]使える? ポーズ集:チームBLポーズ写真集
今日の一枚
昔のをもう一枚。
アキバBlogさんが男性作家向けのポーズ集を紹介していたので、ここはひとつ女性作家向けのポーズ集を取り上げておこうかと。
amazonの表記が正しいなら、コミッカーズ編集部が作った、BL作家向けのポーズ集です。ちなみにamazonはこの本を「本>実用・スポーツ・ホビー>ギャンブル」のカテゴリーに入れています。深いです。
モデルの人のなんとも言えない表情が趣深い一枚。まだ役に入りきれていないのでしょうか。
このセットを学校の教室だと強弁するのは、さすがにちょっと無茶ではないかと思います。
何があっておぶることになったのかわかりませんが、相手が背中でこんな顔をしてたらイヤですね。
膝枕です。ふたりのイチャイチャぶりがたまりません。
なんといいますか、本来の目的で使う分にはそこそこ役立ちそうな本ではあるのですが、へたに欲をかいてしまったせいで「著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本」になってしまっている気がします。そういう意味ではとてもおもしろい本です。
amazonで試し読みもできますので、興味のある方はのぞいてみてください。
2008-11-19
■[その他]あまぞん
つまようじから人間国宝の皿まで商っているamazonさんはすげえなと感心する今日このごろ。つーかシャレで検索したのにつまようじ本当に扱ってんなよ。シャフトエンタープライズじゃあるまいし。
VICTORINOX(ビクトリノックス) ツマヨウジ S A6141
- 出版社/メーカー: VICTORINOX(ビクトリノックス)
- メディア: スポーツ用品
2008-11-18
■[料理]五代目小さんのおむすび
ごはんは炊きたてのアツアツよりも冷や飯の方がうまい、という説があります。芝増上寺79世法主・道重信教(今一休と呼ばれた明治・大正時代の名僧。道重さゆみの曾祖父という噂あり)は子母澤寛のインタビューにこたえて
飯じゃがね、これはつめたいに限る。たきたてのあたたかいのは、第一からだに悪いし歯にもよくないし、おまけに飯そのものの味もないのじゃ。本当の飯の味が知りたいなら、冬少しこごっている位のひや飯へ水をかけて、ゆっくりゆっくりと沢庵で食べて見ることじゃ、この味は恐らくわしのような坊主でなくては知るまいが、うまいものじゃ。
と語っております。
ごはんに冷水をかけて食べる料理には、夏の季語にもなっている「水飯」というのがあります。炊きたてのごはんをざるにとって流水で洗いさまし、ぬめりがとれたら椀によそって氷水をかける。それを漬け物などで食べるというものです。平安貴族は夏場にこれを食して涼をとったと言います。たしかに夏場に食べる分にはよさそうです。
さて本題。落語家初の人間国宝に認定された五代目柳家小さんは、ごはんを味わうには「むすびがいい」と言っています。
むすびさ。むすびのうまいのって、やっぱりやわらかいめしはだめ。強わめのめしでなくっちゃあ。それを固くにぎって、塩を濃くして、うんとしょっぱくして、それもめしのなかに塩がしみこむから、朝にぎって、お昼ごろ食うのがうまい。むすびのなかに梅ぼしがはいっててもいいし、はいってなくてもいいが、しょっぱいたくあんかなんかあるのもいい。
飲みものは、水か、ぬるま湯。むすび食うときは、熱いお茶は、むすびの味を消しちゃうからだめ。その塩気のあるむすびをかむ。かんでる最中に水を飲む。そうすると、むすびについてる塩気のところを水が通って、その水のうまさ。塩気とともにずっと水が通ってからむすびをのみこんで……それが一番うまいむすびの食いかたで、熱いお茶をふうふうふきながらじゃあうまくない。
というわけで試してみました。
せっかくなので米は新潟産の永田農法コシヒカリ。炊くのと飲むのは四万十川の源流の天然水を使ってみました。塩だけはなぜか、ポルトガルの大西洋岸でローマ人がやっていたのと同じ手法で作られた、手作りの塩。
で、感想ですが…シンプルな上に冷えているので、米の味、塩の味がくっきりはっきり出ます。しょっぱいけどとてもおいしい。噛み締めるほど口の中に米の風味と塩味がふくらむので、「かために炊いて、かたく握る」のがいいという意見に納得。そしてお水。ごはんをのどに流し込むおひやが滅茶苦茶うまいです。口の中の塩味の広がりとのどを通る冷水の爽快感は異常。「ごはんは冷や飯に限る」という道重信教師の主張がよくわかる一品でした。
どんなにうまくとも冬場に水飯はすすめられませんが、これだったら自信をもってすすめられます。「かために炊いて、かたく握る。塩気は強く、作って半日は置く。飲みものは水かぬるま湯」。このすべてに理由があるので、しっかり守って作ってみてください。