2008-12-29
2008-12-28
■[書評]ラノ漫2008年下半期エロマンガ5選+α
今日の一枚
指定席をとられてお怒りのこはくさん。
「ごらんの有様だよ」で話題のアレの小説版なども書いたりしている、官能小説家の水坂早希さんがサイトを作られたのでちょっと宣伝。エロ小説家の名前を覚えられない私が、唯一記憶して名前買いしている作家さんです。おすすめ。
さて。このエントリは前にやった「2008年上半期エロマンガ5選+α」の続きです。今年下半期のおすすめのエロマンガ単行本を紹介しますが、前回取り上げた下半期の注目作3点が鉄板でこのままだと2冊しか取り上げられないので、それらは除外した5冊にさせていただきます。
武田弘光さんの成年コミック初単行本。いわゆる「アヘ顔」の人ですが、それ系の作家さんがやりすぎてそういう嗜好の無い読者をドン引きさせるのとは対照的に、バランスのとれた描写をされる方です。堕ちる前後のかわいらしさと堕ちた顔の落差。そしてそれらの描写を支える(肉感的な)画力。非常に完成度の高いエロマンガであると思います。
草津てるにょさんのコアマガジン2冊目の単行本。人妻もののイメージが強い(今回の本も後ろ半分は人妻もの)作家さんですが、単行本の前半に収録されている、連作のヒロインの女子高生・静森さん(表紙の子)がとてもかわいかったのでご紹介。愛する彼氏や夫を持つ女の子が、強引な男たちに押し切られて羞恥に顔を歪めながら痴態をさらすのが基本的な芸風。ヒロインの恥ずかしがる表情が好物という方はぜひ。
すごくいい仕事をする人なのに、掲載誌の問題か知名度が低いような気がする犬星さんの新作。基本的にラブラブ甘々な作風ですが、本番の描写は濃厚で結構ハードなことをしているように見える(本当にハードなことをするのも1本だけある)のが嬉しいですね。下半期に推薦する唯一のロリ本です。
12月は他にも天太郎「Daisy!」、木谷椎「Mind of Sisters」、ぼっしぃ「お嬢様はHがお好き」などの良書がありますが、私はこれを推します。この1〜2年で絵は格段にうまくなったものの、それ以外のところがついてきてなかった上乃龍也さんの最新作。絵に適切な表情や雰囲気を付けられるようになり、前作にただよっていたしらじらしさが消えて非常に魅力的になったと思います。まだまだうまくなるはずなので要注目です。
成年マークはついてないけど凡百のエロマンガが束になっても敵わない、SMを題材にした甘詰留太さんの最新作。本番なしどころか乳首すら出ないのに驚きのエロさ。未読の方はぜひご覧ください。
○おまけ○
全般的に低調だった、2008年のエロゲーのビジュアルファンブックの中にあって、ひとり気を吐いていたこもりけいさんの「プリンセスラバー!」のビジュアルファンブック。マンガは無いですが大層エロイのでよろしければこちらも。
今年はこんな感じでありました。それではまた半年後にお会いしましょう。
プリンセスラバー!ビジュアルファンブック (MAXムツク PUSH Selected)
- 出版社/メーカー: マックス
- 発売日: 2008/12
- メディア: 大型本
2008-12-27
■[ゲーム]ドイツゲーム大人買い
今日の一枚
なんだかよくわからないけど、庭先で大層怒ってらっしゃるグレーの猫さん。
会社的には今日が仕事納めらしいのですが、全然納まってないのでDISSIDIA FINAL FANTASYのサントラを聴きながら仕事している多摩坂です。原曲のアレンジ具合がどれも良好ですね。
それはさておき。ある作家さんに「次の単行本の付録は『禁書目録ポーカー』みたいにゲームを付けたいな♪」と言われたので、研究のためと称してドイツゲームをはじめとするアナログのボードゲーム・カードゲームを最近買い込んでいます。いい機会なので物置状態になっていた空き部屋を片して、客間兼ゲーム部屋も作ることに。
すっきり。
部屋の隅にゲームの棚と来客用の布団。現状部屋にあるのはこれだけ。
「ラミィキューブ」「ディプロマシー」あたりの古典から「ドミニオン」「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」といった最近の作品まで、比較的名前をよく聞くものをとりあえず十数万円分の大人買い。年末までにまだいくつか到着予定。「イントリーゲ」と「ハゲタカの餌食」が欲しいのだけれども、どこかに売ってないかしら。
来年はとりあえずこれらの買い込んだゲームを消化するところからはじめます。
2008-12-26
■[書評]悩める若人の手にこの本が届きますように:西原理恵子「この世でいちばん大事な「カネ」の話」
今日の一枚
ア゛―――――ッ!!!(注:あくびしてるだけです)
私が今年読んだ本の中で、一番すごい本を紹介します。
このタイトルはサイバラの照れ隠しです。実際の内容は「この世でいちばん大事なものを守るための「カネ」の話」であると私は思います。いつものサイバラの本とは少々趣が異なりますし、マンガではなく活字の本ですので、そのへんはご注意ください。
「この世でいちばん大事な「カネ」の話」は、お金がないせいで両親の罵り合いが絶えない家庭に生まれ、イラストレーターを志すも美大の予備校では最下位という、どんづまりだった著者が、どういうことを考えてどのような行動を起こしたか、そして何を学んだかを若者に向けてやさしく語っている本です。
トップの人間に勝とうと思っているからだよ。目先の順位に目がくらんで、戦う相手をまちがえちゃあ、いけない。
「どうしたら夢がかなうか?」って考えると、ぜんぶを諦めてしまいそうになるけど、そうじゃなくって、「どうしたらそれで稼げるか?」って考えてみてごらん。そうすると、必ず、次の一手が見えてくるものなんだよ。
自分の中の「ダメなところ」を、そんなに恥じることはないんだよ。肝心なのは、だめになったら、そこからどう切り返すかなんだから。どうやったら、そこで「自分なりの次の一手」を打てるかなんだからさ。
ジェームズ・C・コリンズはかつて「自分の強みを経済的な価値に変換できる仕事とは何かを考えなさい」と言いましたが、サイバラはさらにその上を行きます。一番になれなくていい。上手である必要すらない。何をすればやりたいことがお金になるのか。それで食べられるようになるのか。そう考えれば「次の一手」は見えてくる。これを超える「大人からのアドバイス」を、私は見たことがありません。
ちなみに予備校時代のサイバラは出版社に売り込みをしまくって、月収五万円分のイラスト仕事を手にします。
目標は毎月、三十万円。だけどその時点で、わたしが実際に絵の仕事で稼いでいるお金は、毎月五万円だった。
それは、つまり、その時点のわたしの才能につけられた値段が「五万円」だったということ。これを目標の「三十万円」に近づけるには、どうしたらいいのか?
若き日のサイバラがこの問題にどういう答えを出したのか。この先は本を手にとって自分の目で確認してください。
この本にはこの他にも
大人って、自分が働いて得た「カネ」で、ひとつひとつ「自由」を買っているんだと思う。
ギャンブルっていうのは、授業料を払って、大人が負け方を学ぶものじゃないかな。
こつこつ元手をつくりあげることもしないで、いとも簡単によそからお金を借りる人間の商売がうまくいくとは、わたしには、とうてい思えないもん。
「いくらがんばっても、どうにもならない」ってことを知ることは、とても大事なことだと思う。あまりにも疲れてしまっているのなら、ちゃんと休む。
人の気持ちとカネをあてにするっていうのはさ、「自分なりの次の一手」を打ち続けることをみずから手放してしまうってことなんだよ。
などなど、山のように名言が出てきます。
理想と現実のギャップに苦しんでいる人、特に学生の方にはぜひ読んで欲しい一冊です。ひとりでも多くの悩める若人の手に、この本が届くことを願います。