2009-04-07
■[雑学]経験に学ぶ者は愚者?
鉄血宰相ビスマルクが言ったとされる「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。私はどうもこの言葉が嫌いでして、歴史に学ぶのが大事なのはわかるけれども、経験をそんなに邪険にしなくてもよくね? というか失敗が許されない国政レベルの問題ならともかく、この言葉を一個人に適用するのはバランス悪くね? と思ってました。
でですね、ここからが本題なんですけど。この言葉のドイツ語原文がですね
Nur ein Idiot glaubt,aus den eigenen Erfahrungen zu lernen.Ich ziehe es vor,aus den Erfahrungen anderer zu lernen,um von vorneherein eigene Fehler zu vermeiden.
(訳)愚者は自分の経験から学んだことを疑わない。私は自らの誤りを避けるために、他人の経験から学ぶことを好む。
だったんですよ。超訳にもほどがある。
というわけでビスマルクさんは経験に学ぶことを否定したりしていません。自分の経験だけだと偏るから、他人の話も見聞きしたほうがええよと言ってるだけです。
ただ、昔と違って現代人は情報は過剰に持っているけど、社会に出るまで現場からは隔離されて育っています。経験と知識を車の両輪とするなら、私たちはむしろ知識の量に見合うだけの経験を積まなければいけないのではないかと思う次第です。
がじがじ。
2009-04-06
■[編集]作家のための倹約講座(1):文芸美術国民健康保険のすすめ
オーウェルの「1984年」を読みながらだと、出すのをすっかり忘れていた憎らしい消費税課税事業者届出書も謹直な表情を崩さずに書ける不思議。BIG BROTHER IS WATCHING YOU!
さて。今日はマンガ家さんや小説家さんなど、フリーのクリエイター向けの健康保険の話をしたいと思います。
JAniCA(日本アニメーター・演出協会)という団体がありまして、文字通りアニメクリエイターのための団体なのですが、少し前にこちらが準会員の枠を作りました。これによりマンガ家、小説家、ライター、イラストレーター等の近隣業界の人間も入会してその恩恵にあずかれるようになりました(編集者は「アニメ雑誌編集者」と書かれていますが、アニメ化した作品にかかわりのある本を作ったことがあれば入れる模様。とりあえず私は入れました)。
ここからが本題。JAniCAの有料会員になると特典として文芸美術国民健康保険組合に加入できるようになります。この保険は所得の額にかかわりなく保険料が均等で、かつ保険料を低めに設定してあるのが特徴です。保険料は現在月額13,500円。準会員の会費は月額3,000円です。国民健康保険料はけっこう高額なので、今の仕事でそこそこやっていけている人はおおむね保険料を安くできると思います。こちらで保険料の大雑把な比較ができますので、興味がある方はお試しください。
保険料をおさえつつアニメ業界関係者の支援にもなるこの制度。ぜひご活用ください。
#日本漫画家協会も同じ組合に加盟しているんだけれども、入会の条件が厳しすぎてお話にならないんですよね……。
キーボードを枕にしつつ威嚇するこはくさん。
2009-04-05
■[編集]「経費1800万円」のアレを見て疑問に思ったこと
未来検索ガジェット通信:経費が1800万円!? 人気漫画家が原稿料と印税を暴露!
「スタッフを6人雇っていますので、人件費は保健料などを含めて年間約1800万円かかります。原稿料と企画料を合わせて、大体プラスマイナスゼロという所でしょうか?」
年間450ページということは月産37〜8ページくらいなわけですけど、生産力の割にスタッフ多すぎじゃないですかね? 普通にマンガを描く分には、アシスタントが2〜3人いればおおむね足りるページ数じゃなかろうかと思ったりするのですが。
いやまあ、アシ3〜4人、ブレーン1〜2人、マネージャー1人といった感じなのかもしれませんけど。
2009-04-04
■[編集]「努力・友情・○○」:長野規と浦沢直樹、平野耕太のそれぞれの主張
「編集者は読者の顔が見えなくてはいけない。頭の中も胸の底も、いや財布やポケットの中身も見えなくてはつとまらない」
それを信条とする長野は、その同じ調査の別項目で、五十の言葉を羅列し設問にそった言葉を選ばせるイメージ調査を行った。その結果、
一番心あたたまることは……友情
一番大切に思うことは……努力
一番嬉しいことは……勝利
この三つの言葉が突出して現れたのである。
長野は、この三つの言葉を『少年ブック』の編集方針にすえた。(中略)
この三つの言葉は、やがて『少年ジャンプ』に編集方針として継承されていく。『少年ジャンプ』においてはさらに徹底され、「すべての漫画の主題は、この三つの言葉の意味する要素を必ず入れる。三つ全部が入らなくとも、一要素はなんとしても入れる」ということが強力な編集方針となった。
意外に知られていないが「努力・友情・勝利」は少年ジャンプの初代編集長・長野規が「少年ブック」の編集長時代に定めた編集方針を継承したものである。
ほぼ日刊イトイ新聞:茶坊主のひとりごと。四十四杯目◎テーマは“努力 友情? 敗北”。ゲスト:浦沢直樹さん
浦沢 よく編集の人と言ってるのが、
“努力 友情? 敗北”ですね。
世の中って“努力”したから
必ず“勝利”ってならないじゃないですか?
“勝利”って言ってもその時点での話で、
長い目で見れば“敗北”かもしれないし。
安直な「勝利」の否定。「友情」が“?”なのも面白い。
平野 アンデルセンが死ぬのは初めから決めてました。ライバルの敵キャラが共同の敵に対して共闘する形はキャラクターのパターンですが最後は主人公との決着をつけなければならない。で、このまんがの場合、決着=死ですので…。決着がついたのに敗れた方を生かしておけるような種類の作品ではありませんし。「努力・友情・死亡」なんですよ。僕自身、共闘してそのまま仲間になって幸せに生きながらえました、という結末は許せなかったんです。ベジータだけは別。ブルマとぱふぱふしながら幸せに暮らせ。
- 出版社/メーカー: 雑草社
- 発売日: 2009/03/30
- メディア: 雑誌
勝敗よりも決着に伴う「死」に主眼を置く考え方。ベジータはお幸せに。
「努力」と「友情」については否定的な言及はされていないが、単に語呂がいいから引用されただけで深い意味はない可能性があるため今回はスルー。浦沢・平野両者ともに「勝利」やそれに伴う喜び・快感に対する関心が薄く、敗北(やそれに伴う死)の方を重視している点が興味深い。
ミーアキャット立ちする野良さん。こっち見んな。