2009-04-11
■[編集]雑誌の厚さを売りにするのはいいかげんやめにしないか
上に応援バナーを設置したかーずSP×アキバBlogの伏見つかさ先生インタビュー(後編)に「俺妹」3巻のボツ原稿が公開されてるんですが、これに出てくる編集者が思いっきり三木さんでほうじ茶吹いた。伏見さんすげえ。いやもう本当にそのまんまの人です。
さて。ドラゴンエイジのリニューアル号がガンガンより厚いというのがネタとして取り上げられていました。電撃大王がリニューアルした時も思ったんですけど、いまどき雑誌が厚くなって喜ぶ人なんかいるんでしょうか。
ドラゴンエイジは事実上休刊したドラゴンエイジPureの人気作品を吸収し、新連載も投入して約40作品、1000ページ強のマンガ雑誌になりました。こんなに膨らんだ原因は本誌作品のリストラを行わなかったことにあります。リニューアルという大義名分があるのだから整理して質を上げればいいのにと思うのですが、そのような動きは見受けられません。
マンガ雑誌が売れなくなった原因について、私は下記のようなことを書いたことがあります。
かつて「こんなに安くて、こんなにいっぱいマンガが読めてお得」だったマンガ雑誌は、「読みたいものは少ししかないのに、お金を出して買いに行かなければならないし、その上かさばる」というふうに見られるものになってしまいました。現在の、群雄ひしめく過酷な娯楽業界において、余分な「ほしくないもの」まで載っているマンガ雑誌は、その余分ゆえに淘汰されようとしているのかもしれません。
私はマンガ雑誌の売り上げが下げ止まらない理由のひとつは「抱き合わせ感」にあると思っています。1誌20作品中読みたい作品が5作あった場合、残りの15作は無駄金を払わされたうえにかさばる抱き合わせ商品であり、数が多いほど読者のテンションを下げます。めくってもめくっても興味を引かないマンガばかりの雑誌って、読んでて嫌になるじゃないですか? そりゃみんな雑誌から離れて単行本派になるってもんです。
今回のドラゴンエイジの場合、選択と集中を徹底すれば「20作品中6〜8作」(これってかなり魅力的な数字では?)くらいの雑誌を作れたかもしれないものを「40作品中6〜8作」にしてしまったわけです。いくら良い作品が増えたと言っても、興味のわかない作品が30近くにもなったらそんな雑誌を購読するでしょうか? 私は厳しいと思います。
読者の雑誌観が大きく変化した今、生き残りを図るにはスリムで質の高い雑誌作りをしていかなければなりません。時代錯誤もはなはだしい重厚長大主義はいいかげん改めるべきではないでしょうか。
悪人面。
2009-04-10
■[編集]作家のための倹約講座(3):ジムと温泉と医療費控除
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」3巻を読了。今回は桐乃よりも黒猫の方が妹していてかわいかったですが、そんなことよりも巻を重ねるごとに強まっていく京介のツンデレ度合がたまりません。あとこのシスコンお兄ちゃん、妹に毒されて急速にオタク化が進んでいるんですが大丈夫でしょうか。
――なん……だと……?
ば、ばっかじゃないの!? 誰がそんな……妙な勘違いしないでよねっ!
俺のハイパー兵器を見せてやるよ!
とか普通に言うようになってしまったので色々心配です。
さて。前々回は病気、前回は廃業の備えになるリーズナブルな制度を紹介しましたが、今回は健康をテーマにしたいと思います。なお作家は不健康なものという前提に基づいて書きますので、健康な作家さんは今回は読まなくていいです。
所得税と住民税には医療費控除というものがあります。10万円を超えた医療費を、超えた分だけ控除してもらえるというものです。基準となる10万円という額が非常に大きいのであまり意識されない控除ですが、「スポーツジム代」や「温泉療養代」を医療費に入れられるとしたらどうでしょうか。
私たちは不健康なので、医者に診てもらったら何かしら注意を受けると思います。その時に作ってもらうべき魔法の紙が「運動療法処方箋」「温泉療養指示書」です。運動療法処方箋は指定のジムの会費を、温泉療養指示書は指定の温泉施設の利用料&往復の交通費を医療費扱いにできる鍵です。利用したい施設の内容を確認した上で医師とご相談ください。
注意点がいくつか。まずジムの方ですが、こちらは「週1回以上&8週間以上」通わないと認定証である「運動療法実施証明書」がもらえません。温泉のほうも同様で「1ヶ月以内に通算7日以上」利用しないと「温泉療養証明書」がもらえません。なお、温泉旅行の宿泊費やグリーン車等の代金は控除の対象になりません。
証明書に医師のサインをもらい、領収書と一緒に提出すれば医療費控除の申請は完了です。そうそう、今思い出しましたが「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師」の施術も医療費控除の対象になります(※クイックマッサージは除く)。
作家は身体が資本ですので、これらの制度を利用しつつ健康にも気をつかってもらえればと思います。
何かの力に目覚めた風。
2009-04-09
■[編集]桜の樹の下には無数の作家の死体が埋まっているというお話
お仕事DB:
「編集者になった当初は、何がウケて何がウケないのか、まったくわかりませんでした。先輩に教わるんですが、やってみないとわからないですよね。何度も連載の打ち切りを食らって、漫画家さんとああしよう、こうしようって相談をして…そんな中でやっと培われてきたという感じです」
「実は僕、今まで15作品くらい担当してきて、ほとんどが連載打ち切りになってしまったんですよ」と鈴木さん。「あんまりたくさん打ち切りを食らったので、挫折なんて言ったら、4年間挫折のし通しでしたよ」
「自分が“ウケる”と思ったポイントがウケたのが、大きな自信につながりました。漫画家の瀬尾さんも相当、感慨深いものがあったはずですよ。特にも言われてはいないのですが(笑)。でも、『涼風』のヒットが無かったら本当に、編集者に嫌気がさしていたことでしょうね。不思議なもので、この後から急に、他の仕事もうまくいくようになりました」
挫折を乗り越えて成長できたのは結構なことですが、この編集氏の成長のために約15作品が犠牲になっているわけで。この時期に運悪く彼に担当されてしまった作家さんたちが不憫でなりません。
つうか4年間で15作品くらい担当してほとんどが連載打ち切りって、そうとう酷くね?
(※ヤバい編集者が担当についてしまった時どうすべきかについては過去にちょっと書いたので、こちらもご覧ください)
2009-04-08
■[編集]作家のための倹約講座(2):小規模企業共済をイチオシします
「ファイアボール」第1話のネタ元と聞いて「銀河ヒッチハイク・ガイド」を読書中。モンティ・パイソンの国のSFは凄えなあと感心させられる、英国ジョーク満載の愉快な作品です。面白い。
さて。今日は前回よりも対象を広く取った、強力な節税効果のある制度を紹介します。その名は小規模企業共済制度。小規模な企業(個人事業主も含む)の経営者の退職金代わりに設けられている共済制度です。運営しているのは独立行政法人 中小企業基盤整備機構。主な特徴は以下の通り。
・毎月積み立てたお金を、事業を廃止したり会社を解散したときに利子をつけて受け取れる制度。
・掛け金は月額最低1,000円から70,000円まで、500円刻みで自由に設定可能。途中で増額・減額いずれも可能。
・掛け金を全額所得から控除できる。
・受け取るお金は退職所得扱い(一括受取)か公的年金等の雑所得扱い(分割受取)となり、税制面で優遇される。
・掛け金の7割程度を限度にした貸付制度あり。
お金を入れる時も受け取る時も税制面で大きなメリット(こちらを参照下さい)があり、掛け金は預貯金とは比較にならない高利回り(こちらでシミュレーションできます)で運用されるという、節税と貯金が同時にできるお得な制度です。
私は掛け金を限度額の月額7万円に設定していますが、これにより控除額が84万円、所得税と住民税合わせて25〜30万円の節税になっています。生命保険を後回しにしてでも入っておけと言いたい制度です。
加入資格者で未加入の方はぜひ一度ご検討ください。
野良さんがいっぱい。