ドラッグ・ラグ解消を訴える―乳がん闘病の女性医師
乳がん体験者の仲間作りを行っている「あけぼの千葉」の公開講演会が4月19日開かれ、乳がんと20年以上闘い続ける耳鼻咽喉科医師、小倉恒子さんらが講演した。小倉さんは乳がん体験を持つ会員らを前に、「私はこの世で頑張れることがあればまだまだ頑張りたいと思う。これからは『ドラッグ・ラグ』の問題を頑張っていきたい」などと話した。
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会場には、あけぼの千葉の会員を中心に100人以上が集まった。まず千葉県船橋市で「あきらめないがん治療」をテーマに医療活動を行っている、クリニックC4の青木幸昌院長が最新鋭の放射線治療システム「トモセラピー」に関する講演を行い、「『NO』と言わない放射線治療を目指していこうと思う」と語った。
続いて、1991年からあけぼの千葉(旧称:あけぼの会千葉支部)で毎年のように講演を行っている小倉さんがマイクをとった。小倉さんはがんが全身約100か所に転移しており、この日も足にしびれを感じながらの講演。「この世で頑張れることがあればまだまだ頑張りたいと思う」とし「ドラッグ・ラグの問題をこれから頑張っていきたい」と語った。
小倉さんが現在治療で使用している薬剤は「ナベルビン」。治療のために使用可能な薬はナベルビン以外、1つしか残っていないとした上で、「武器(抗がん剤)はいっぱいあると思って(がんと)闘ってきたが、はたと武器庫を見てみたら、もう武器がなかった。丸腰で闘うわけにはいかない」と説明。がん細胞が全身に転移して放射線治療が難しく、抗がん剤で延命治療をする患者としての立場から、「患者にとっては使える薬は多いほどいい」と訴えた。
また、3月30日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会で、抗がん剤「ドキシル」(一般名:ドキソルビシン塩酸塩)が、卵巣がんの治療薬として承認される見通しとなったことに触れ、「(卵巣がんに比べ)乳がんの患者会の方がいっぱいあるので、乳がんの会も頑張らなくては」と、会場に集まった人々にドラッグ・ラグに関する意識向上を呼び掛けた。
あけぼの千葉の齋藤とし子代表は、「会員にとって小倉先生は『希望』。小倉先生のように元気に年を重ねたいと願う会員たちにとって、先生の元気な姿に会えることが生きる希望につながっている」と話した。
更新:2009/04/20 20:55 キャリアブレイン
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