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過剰流動性に懸念浮上、政策見直しの機運(上)

 政界で市中の過剰流動性に対する懸念が高まっている。ハンナラ党政策委員会の幹部は20日、「当初は今年上期に景気低迷がピークに達し、企業の破産、大企業のリストラが相次ぐとの予想から、二重、三重の支援策を準備した。しかし、予想外に韓国経済が善戦しており、むしろ戸惑っている」と語った。同幹部は「極端な状況に備えて進めてきた『プランA』を引っ込め、プランAの副作用を補完できる『プランB』を準備している」と付け加えた。

 与党の政策担当者らが検討しているプランBの狙いは、市中に過剰に供給された資金(過剰流動性)を吸収することだ。今年上期の28兆ウォン規模(約2兆円)の第1次追加補正予算に続き、下期に投入が予定されていた第2次追加補正予算案編成計画については、臨機応変に検討していく。また、規制緩和を推進する一方、景気回復に備え、恒久的廃止ではなく、一時的な猶予を選択する案も推進される。

 まず、冷え込んだ資金市場を改善するため、資金をつぎ込んだところ、浮動資金は800兆ウォン(約59兆円)に膨らんだ。この資金が不動産や株式市場に押し寄せ、すでに「過熱」を懸念する声が出ている。尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官も今月16日の国会企画財政委員会で、「800兆ウォンは明らかに過剰流動性だ。韓国だけでなく世界的に流動性が飽和状態だ」と指摘した。

 与党・政府はまず、流動性の吸収で歩調を合わせている。ハンナラ党の第3政策調整委員会の羅城麟(ナ・ソンリン)副委員長は「市中の浮動資金を吸収するため、1年未満の短期国債を発行する案、5年以上の長期投資に対し税制優遇策を設ける案を政府と調整している」と述べた。現在6カ月未満の金融商品に400兆ウォン(約29兆5000億円)が集中していると推定される。短期国債を発行し、このうち相当部分を吸収するとともに、5年以上の長期投資に税制優遇を行い、短期資金を長期資金に転換するのが狙いだ。

 韓国銀行法改正案も、市中資金を吸収するための改正案に変わっている。本来この改正案は韓銀の設立目的に「金融安定機能」を追加し、韓銀が景気対策に必要な資金を市中に直接供給することができるようにする狙いがあった。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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