(2009年4月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
経済危機を受け、サプライヤーに対する中国企業の支払い能力が急激に低下し、中国で事業展開するリスクが大幅に高まっていることが、世界最大級の信用保険会社、仏コファスの調査で明らかになった。
中国におけるコファスの保険引き受けおよび保険金請求処理事業を率いるザヴィエ・ファルコ氏は、中国国内の取引で顧客企業の支払い不履行に対して保険をかけるコストが、金融危機以降30%上昇したと話す。過去に保険金支払いを請求したことがない優良企業にとっても、事情は同じだという。
中国のリスク環境に変化
「これは、(中国企業にモノを売る)リスク環境全般の変化を映したものだ」とファルコ氏。
昨年末に中国の輸出が急減し始めると、輸出型のハイテク企業および電機メーカーを中心に、中国企業は流動性の危機に見舞われた。また、ファルコ氏によれば、こうした企業の多くは厳しい局面を切り抜けるための銀行融資も得ることができなかった。中小の民間企業の場合は、その傾向が特に著しいという。
欧米の金融機関と異なり、中国の銀行は資金が潤沢にあるが、「彼らは大抵、大きな経営資源や自己資本を持たない中小企業ではなく、国営の大手企業に融資することに慣れている」とファルコ氏は話す。
資金繰りが厳しくなる中で、多くの中国企業はサプライヤーに与信取引を求めざるを得なくなり、痛みがサプライチェーンに行き渡るようになった。
コファスが年に1度実施している中国企業の与信管理動向調査によると、中国のサプライヤーの90%近くが、売上高の半分以上について、国内顧客企業に信用供与している。これに対して1年前は70%程度だった。
支払い遅延が増加
ファルコ氏は、これはお粗末な与信管理だと述べ、「今は信用を供与するのではなく、制限すべき時期だ」と指摘する。だが、多くの中国のサプライヤーはこれまで、今のような景気悪化を経験したことがない。
「これらの企業の多くは、支払いを受けられないという問題に見舞われたことが1度もない。売り上げは常に増え続けてきたからだ。このため、資金も十分でなければ、与信管理も十分でない」(ファルコ氏)
昨年、大多数の中国のサプライヤーでは、顧客企業が従来より長い支払期限を求めるようになってきたほか、支払い遅延問題が増えてきた。また、サプライヤーの4社に1社は、支払期限を半年以上過ぎた売掛金が売上高の2%以上を占めているという。
「2%というのは一般に、それを超すと会社の経営がまずくなり始める目安とされている数字だ」とファルコ氏は言う。
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