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タイ:タクシン元首相らに逮捕状 抗議デモは中止

兵士に身分証明書を示し、首相府周辺から撤退するタクシン元首相支持派=2009年4月14日午後0時半、矢野純一撮影
兵士に身分証明書を示し、首相府周辺から撤退するタクシン元首相支持派=2009年4月14日午後0時半、矢野純一撮影

 【バンコク西尾英之、矢野純一】タイの首都バンコクで激しい反政府抗議行動を続けてきたタクシン元首相派組織「反独裁民主戦線」(UDD)は14日、抗議デモの中止を決定。市中心部の首相府周辺に集まっていた約2000人のタクシン派は解散した。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議を中止に追い込み、2人の死者と136人の負傷者を出したタクシン派による抗議行動は、ひとまず終息した。

 裁判所はタクシン元首相を含む13人に、非常事態宣言違反などの疑いで逮捕状を発行。元首相側近のウィーラ元下院議員らUDD幹部3人は、自ら警察に出頭した。

 アピシット首相は13日夜、タクシン派が解散に応じない場合は強制排除に踏み切る姿勢を示し、軍は首相府周辺に集結したタクシン派を包囲した。UDDは自派の銃撃で一般市民に死者が出て、世論の反発が強まっているいることや、参加者数が減っていることなどを勘案。これ以上抗議行動を続けるのは困難と判断した模様だ。

 海外に逃亡中のタクシン元首相は「これは(敗北ではなく)一時停戦だ」とのコメントを発表した。

 アピシット首相は、バンコクなどに出された非常事態宣言について、治安が完全に回復するまで解除しないと述べた。

 一連の抗議行動は、タクシン氏が自身の帰国と復権を果たすため、反タクシン派のアピシット政権の崩壊を狙って勝負に出たもの。

 ASEAN関連会議の中止でアピシット首相は深刻な打撃を受けたが、一方でタクシン派がタイの国際的信用を失墜させ、バンコクを騒乱状態に陥れたことで、国内のタクシン氏への反発は強まっている。

毎日新聞 2009年4月14日 23時13分(最終更新 4月15日 9時41分)

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