最終更新: 2009/04/21 00:40

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東京・帝京大学病院にお目見えした画期的な救命救急施設を小穴アナが体感しました。

東京・板橋区の大学病院に、画期的な救命救急施設がお目見えしました。
受け入れ不能などの問題が噴出する救急医療の現状に一石を投じる新しいシステムを、小穴浩司アナウンサーが体感してきました。

東京・板橋区にある帝京大学医学部付属病院は5月7日、隣の建物にそっくり移転し、生まれ変わる。
17日には、新病棟開院式が行われた。
その目玉は救急医療で、救急車で運ばれる重症患者を即座に手術することができる日本有数の救命救急センター。
そして、自分で病院を訪れた患者を即座に診断し、対応を速やかに決める救急外来専門の「ER」。
この2本柱を備えたまったく新しいシステムが誕生する。
構想は、救命救急センター長の坂本哲也教授が、3年間にわたり練ってきた。

この新しいシステムを小穴アナウンサーが実際に体感した。
まず、最も症状の重い緊急度の高い患者は、受け付けをせず、速やかに手術室のある救急救命センターに入る。
最も緊急度の高い患者の場合、まず救急車で入り口に横づけされる。
自動扉を2つくぐると、そこは処置室で、スタッフが患者を待ち受けている。
救急車到着から1分もかからずに、処置が始められる。
一方、自分でこの病院を訪れた患者に対応するER。
従来、このシステムがなかった旧病院では、治療する側の不満もあった。
坂本教授は「ここで手術をやる。それこそ野戦病院のテントで手術しているような状況みたいなものですね。すぐそこに、まだ軽い患者さんがいてですね、本当に、ついたて1枚の向こうで、ものすごい状況になっているところでですね、お待ちいただかなきゃいけない」と話した。
症状の重い患者が自分で救急外来にやって来た場合、最初の診断まで時間のかかるおそれがあったという。
坂本教授は「かなり危険な状態で待っているけれども、中で、このドアの向こうで診て(診断して)いるドクターやナースは、そのことを知らないでいるというようなことが起こりかねない」と話した。
毎日訪れる多くの救急外来患者の中から、重症患者を見つけ出すことが難しかったという。
新しい病院は、受付ですぐに、トリアージナースが患者の症状を把握する。
緊急性が高いと診断されると、トリアージナースが「コードレッドです」と連絡を入れ、奥に24時間控えているERドクターが駆けつける。
すぐに処置が必要と診断された場合、受付の順番に関係なく、処置室へ運ばれる。
すでにスタッフがそろっており、この場合でも、素早く処置が始まる。
最後に、軽症の場合、より重症の患者を優先するため、長時間待たされる可能性がある。
坂本教授は「本来の緊急性がないようなことで来られた方に関しては、申し訳ないですけれども、大変お待ちいただくと。その代わり、どんな時間に来ても、本当に必要な治療についてはすぐにできると」と話した。
患者の命と健康のため、大学病院としていったい何ができるのか、坂本教授と帝京大学の挑戦は、まだ始まったばかり。

坂本教授によると、どんなに立派な病院やシステムが整っても、それを生かすER専門の医師が、日本ではまだまだ不足しているのが今後の課題だという。

(04/20 12:53)


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