うまさ別次元! カレー大革命2007年01月31日放送
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うまさ別次元! カレー大革命
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カレーは人によって好みが大きく異なる料理ですが、ホテルやレストランのような高級カレーには、多くのみなさんが「おいしい」と満足しました。そこで今回は、そんなレストランやホテルのような高級感あふれるカレーを市販のルウを使って自宅で簡単に作る方法をご紹介します。

高級感あふれるカレーとは?

小野アナウンサーが、高い評価を得ている2つのレストランを訪ね、高級感あふれるカレーとはどんなカレーなのか、探ってきました。その結果、次の3つの特徴がありました。

  • カレーソース自体にコクがあっておいしいこと。
  • カレーソースにはメインの具以外は見あたらず、トローリなめらかなこと。
  • メインの具であるお肉にうま味がしっかり閉じこめられておいしいこと。

今回の番組では、この3つを目標に進めていきます。

「ヒミツの味 隠れてルウ?」

カレーをよく作っているという5人に実際にカレーを作ってもらい、食品開発などで官能試験を行っている専門家に評価してもらいました。使用したカレールウの種類と量は全員共通で、具や調味料は各自ふだんどおりに使ってもらいました。

シチューのなめらかワザ

ガッテンでは以前、「シチューの極意」と題して、なめらかなシチューの作り方を紹介しました。そのときのコツは、次の2点です。

  1. 最初から弱火で野菜を煮込むこと。
  2. 粗熱をとってからルウを入れること。

[1] は、野菜に含まれるペクチンがゆっくり加熱されることで、しっかりと固まり煮くずれしにくくなるためです。[2] は、熱い鍋にルウを投入すると、表面が急激に糊化してバリアを作り、中まで水分が浸透しなくなりダマになるからです。

「プロのなめらかワザ」

今回とりあげたAレストランとBホテルの場合、Aレストランでは野菜や鶏ガラなどを煮込んだスープを漉すことで、素材のうま味がたっぷり詰まって、よけいなものが含まれないカレーソースに仕上げていました。またBホテルでは、野菜や果物をミキサーにかけて細かく砕いて、煮込むという方法を教えてくれました。

市販のカレールウは

大手カレールウのメーカーによると、市販のルウは箱に記載されているレシピ通りに作ることで、想定通りの「万人好みの味」になるように開発されているとのことです。

その場合、味のキャパシティがあまりなく、他の調味料を加えても、加えた味の効果は舌ではなかなかわかりにくく、加えすぎると味のバランスが崩れてしまいます。

※好みによって評価は異なります。

「この調味料に超魅了」

カレールウの使用量を減らし、その分、どんな味付けをすればよりおいしく感じられるのか調べました。

ここで、「東京カリー番長」というカレー愛好家のグループにヒントをいただきました。調理主任の方は今まで600種類ものカレーを作ってきて、経験的に4つのものを加えるとよりおいしくなることに気づいたといいます。その4つとは、ニンニク、バター、トウガラシ、そして砂糖です。

砂糖がカレーをおいしくする理由

味やコクの研究者によると、「甘さはおいしさの根源である」「甘さは最初に感じる。その後、旨味や苦み、さらに遅れて辛さを感じる。こうしておいしさがステップアップする」といいます。

4つのものを加えたカレーは、砂糖の甘味、バターの油、トウガラシの辛さ、ニンニクの香り。そしてカレーソースに含まれている旨味が際だっています。

これを口に入れると、ニンニクは香りや風味として嗅覚に働きますが、初期の段階で砂糖の甘味を感じます。甘味は「重要な栄養源」なので、「食べる価値のあるおいしい食べ物」と脳で判断されます。その状態で旨味や油、辛さを感じると、時間的な拡がりが生まれ、おいしさがステップアップする……と考えられます。

※味覚のメカニズムはまだ解明されていないことが多いのですが、今回は協力していただいた研究者の話をもとに構成しました。

「ベリーGOO プロの肉らしいワザ」

スーパーなどでシチューやカレー用として売られている豚肉をためしに煮てみると、事前に炒めて表面を固めても、お湯の温度が63℃で肉汁が出てきて縮んで硬くなってしまいました。

レストランのシェフもしっかり表面を焼き固めますが、その後大鍋で2時間ブイヨンスープで煮込み、さらに一晩かけてゆっくり冷ましていました。ゆっくり冷ますことで、スープが肉に吸い込まれてふわふわの柔らかい肉になるのです。

ホテルでは、肉をさっと焼いて、ブランデーで香りを付けて、食べる直前にソースと絡めるだけでした。こうすることで中まで火が通らず柔らかさを保ったままの肉を楽しめます。