現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

タミフル服用すると「異常行動1.5倍」 厚労省研究班

2009年4月20日19時36分

 厚生労働省の研究班(班長=広田良夫・大阪市立大学教授)は、インフルエンザ治療薬タミフルを服用した10代の患者が、飛び降りなどの異常行動をとる割合は、服用しない場合よりも1.5倍高いとする最終報告書をまとめた。

 10代患者への投与を原則中止している方針が転換するかどうかが焦点だが、厚労省は「ほかの研究班報告もあり、今回の研究結果だけですぐに方針が変わるものでない」とする。5月以降に開く同省薬事・食品衛生審議会安全対策調査会で詳しく検討する。

 分析対象は06〜07年にインフルエンザと診断された18歳未満の患者約1万人。急に走り出すなどして死亡やけがに結びついた深刻な異常行動は、タミフルを服薬した場合、服薬しない場合より1.25倍発生率が高くなった。特に10代では1.54倍高かった。これらを踏まえ、報告書は「タミフルの使用と異常行動・言動に、関連がないとはいえない」とした。一方、うわごとなど軽いものも含めた異常行動全体では、服用した場合の発生リスクは、服用しなかった場合の0.62倍で、相対的に低かった。

 研究班は、医療機関からの報告にばらつきがあるなどの理由で、正確な解析が難しいとしており、広田班長はタミフルと異常行動の関連性の有無を調べるには、研究の計画段階から疫学者を加えたより正確な調査が必要だ」と話している。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内