謝罪を今後の業務改善に

宮崎労働基準監督署のいい加減な仕事ぶり~下

大谷 憲史(2007-06-16 08:00)
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前回までのあらすじ

 6月13日に行われる労働審判の第1回審判に向けて準備を進めていたが、4月9日付けで宮崎労働基準監督署に申告した書類が正式に受理されていなかったことが分かった。6月6日、申告書が受理されなかった理由を確認するために申し入れ書を提出。当初、労働基準監督署は文書での回答を拒否したが別件で国家公務員倫理法に抵触する事態が発生。翌7日に一転して文書での回答を約束した……。

◇ ◇ ◇

宮崎労働基準監督署(撮影:大谷 憲史)

 6月11日、予定の時間に宮崎労働基準監督署に出向いた。署長は会議のため不在であった。次長、B課長、A主任の3名が対応した。

 冒頭、労働基準監督署側からの謝罪を受けた。

 6月6日に提出した申し入れ書に関しては、当初、一切文書での回答はしないとのことであったが、一転、文書で以下のような回答を受けた。

(1)今回の申告書が受理されなかった経過について

 これまでの主張を文書化したもので、2007年4月9日付け「労働基準法第104条第2項違反と思われる解雇通告に関する申告」は確かに職員が受け取ったことには間違いない。職員が私に対して解決の手段としてあっせん制度を説明したところ、私が了解したものと考え申告の意思はないと判断したとのこと。私への確認や説明が不十分であったとすれば遺憾であり謝罪する。

(2)今後の労働審判における影響をどう考えるか

 2007年6月5日の時点で私に申告の意思があるものと認められたので、同日この申告を受理した。行政的な解決手段である労働基準監督署への「申告」と、司法的な解決手段である「労働審判」とは異なる制度であるので労働審判に対する言及はできない。

(3)職員の研修はきちんと行われているのか

 労働局および労働基準監督署に勤務する職員については計画的に厚生労働本省が研修を実施するほか、地方労働局においても適宜研修を行っている。

 今となってはすべて可能性でしか話ができないので、今後は労働審判の状況を見守るしかない。書面では労働審判に対する言及はできないと書かれていたが、労働基準監督署側としてはこの労働審判の行方が気になるようだった。労働審判で何かあったら連絡が欲しいと言われたが、私が不利益を被ることになれば連絡するが、それ以外に関してはこちらから連絡することはないと伝えた。 

 最後に3名から再度の謝罪を受け、署長室をあとにした。

 今回の申し入れは「これから行われる労働審判をどうしてくれるんだ!」ということよりも、労働基準監督署の職員が私の申告に従ってきちんとした仕事をしてくれなかったことに対するものである。

 私にしても労働基準監督署にしてみても、クレームに真摯(しんし)に対応しどう対応すれば良いのかについて考える良い機会になったのではないだろうか。

 折しも年金問題で国民の不満が倍増している。各地の社会保険事務所では、年金記録の確認とともに不満が職員にぶつけられている。「私たちではありません。過去の大臣や職員の問題です」ではすまされない。

 謝り上手に怒り上手ではないが、国民の怒りや職員の謝罪のなかから今後の改善につながっていくものを見いだしていかなければならない。

 今回、宮崎労働基準監督署側が文書で回答したことは署内に文書が残るということだろう。それが今後の業務改善につながっていくことを期待したい。

 さて、私は2日後に行われる労働審判の第1回審理に向けた戦略を練り直さなければならない……。



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