国家公務員倫理法とコンプライアンス

宮崎労働基準監督署のいい加減な仕事ぶり~中

大谷 憲史(2007-06-15 11:00)
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 6月6日、宮崎労働基準監督署長宛の「申入れ書」をもって、労働基準監督署へ向かった。あいにく署長、次長は不在だったため、前回対応してくださったB氏と面会した。

 B氏に申入れ書を手渡した。B氏から話を聞いた。

 6月5日に再度受理された「労働基準法第104条第2項違反と思われる解雇通告に関する申告書(4月9日付け)」をもとに、相手方に確認を行なったところ、予想されたとおりに「大谷氏が話しているような事実はない」と否認したとのことだった。

 8日後に行なわれる労働審判の第1回審理にどのような影響が出てくるかは分らないが、相手方には裁判の資料集めと思われることは確かである。

 宮崎労働基準監督署側は、形式的には申告書を受理して、相手方の事情を聞いて指導したので、自分たちの仕事は終わった、と言うことになるが、果たして、それでいいのだろうか。

 申入れ書では、これまでの経過説明と、今回の責任の所在などについて文書で、回答してほしいことを伝えたが、労働基準監督署では、文書で回答することはしない、とのことであった。

 今回の私と労働基準監督署とのやりとりの記録がなければ、「言った、言わなかった」の繰り返しになるだけである。労働基準監督署では、「言った、言わなかった」と言うトラブルを回避するために、使用者と労働者の間で、「労働条件通告書」を取り交わして、労働条件でトラブルが起きないように指導している。

 労働基準監督署側の不手際で起きたことに対して、文書で回答しないと言うことに対して、納得いかなかった。

 さらに、話し合いを行った結果、申入れ書について、署長、次長、B氏、A氏で話し合って対応すると言うことになった。

 6月7日の夕方、労働基準監督署のB氏より連絡が入った。

 6月11日の13時30分より次長、B氏、A氏の3者で、今回の申入れ書に対する回答を行うと言うことになった。

 文書で、回答しないと言うことだったので、私が話し合いの様子を録音したいと伝えたところ、文書での回答を拒んでいた労働基準監督署側は、文書で回答すると伝えてきた。その理由は、すぐに分かった。

 

マージャンをして国家公務員倫理法で戒告処分を受けた(宮崎労働基準監督署)(撮影:大谷憲史)

 その翌日、宮崎労働局は、「国家公務員倫理法」に基づいて、利害関係にある厚生労働省管轄の公益法人の職員と、繰り返しマージャンをしていた宮崎労働局課長と労働基準監督署長を、戒告処分にしたことを発表した。

 宮崎労働局長は、

 「誠に遺憾で申し訳ない。今後、労働行政に対する信頼を取り戻すべく法令順守、綱紀粛正に努めたい」

 とコメントした。

 今回の私の件とは、関係はないとは思われるが、署長自らが、法令を遵守しない状況であれば、労働行政に対する不信感は募るばかりである。その不信感を、払拭するために、私に対して文書できちんと回答する、と伝えてきたのであろうか。

 この「国家公務員倫理法(倫理法)」は、平成11年8月13日から施行された。

 国家公務員が、国民全体の奉仕者であって、その職務は国民から負託された公務であることに鑑み、国家公務員の職務に係る倫理の保持に資するため、必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する、国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、公務に対する国民の信頼を確保することを、目的として制定された法律である。

 この「倫理法」以外に、国家公務員倫理規定(倫理規定)があり、倫理規定は倫理法に基づく政令で、利害関係に該当する人との付き合い方等について、国家公務員が守るべきルールが定められている。
 
 国民向けのパンフレットには、利害関係がある人との飲食、お中元やお歳暮等の贈答の禁止から、ゴルフ接待に関することまで具体的に書かれている。このようなことをわざわざ書かなくても、当然行ってはいけないことであると言う認識が、国家公務員にはないのだろうか。

 私の場合は、申告書が受け付けられなかった、と言う職員の職務怠慢に関することなので、この「倫理法」や倫理規定に該当するわけではないと思うが、「倫理法」に謳われている「国民の疑惑や不信を招くような行為」にはあたる。

 労働基準監督署だけではなく,国家公務員におけるコンプライアンスは,きちんと行われているのだろうか。



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