「ドイツと日本における医療の違い」をテーマに心臓外科の世界的な名医といわれる南和友・日本大医学部心臓血管外科教授が18日、前橋市千代田町2の前橋テルサで心臓移植の現状を語る講演を行った。医療関係者や市民約250人が詰めかけ、熱心に耳を傾けた。
医療法人北関東循環器病院が開院20周年の記念行事として開催。南教授はドイツで約30年間、心臓外科医として移植手術を学び、日本人医師では最も多くの心臓移植を手がけたといわれている。
講演では、ホームドクター制度が定着しているドイツと日本の地域医療の差や、国際移植学会が昨年5月、WHO(世界保健機関)と協力し、世界各国に移植臓器の自国での供給などを呼びかけた「イスタンブール宣言」を挙げ、渡航移植に頼る患者の多い日本の心臓移植の現状や問題点を指摘した。
講演を聞いた前橋市小坂子町の医師、笠原浩一郎さん(75)は「海外と日本の移植に対する意識の違いはショッキングだった」と話した。【鳥井真平】
毎日新聞 2009年4月19日 地方版