東京ディズニーランドにまつわるエピソードを集め、50万部のベストセラーになっている「最後のパレード ディズニーランドで本当にあった心温まる話」(中村克著)の一部が、「小さな親切はがきキャンペーン」の入賞作品と酷似していたことが20日分かった。
キャンペーンは社団法人「小さな親切」運動本部(東京都)が実施。入賞作品は読売新聞の04年11月24日付夕刊で掲載された。
同本部によると、日本郵政公社総裁賞を受賞した大分県の女性の作品が、今年3月刊行の同書に収録された「大きな白い温かい手」と表現や構成などがほぼ同一だった。
作品は車椅子の夫と訪れた遊園地で、ドナルドダックの着ぐるみが、背中をなでてくれ元気づけられたという内容。中村さんや出版元などからの連絡はなかったという。
版元のサンクチュアリ・パブリッシング(東京都)によると、同書はディズニーランドを運営するオリエンタルランド(千葉県浦安市)で勤務していた中村さんが、自分の見聞やネットに掲載されているエピソードなどを基に編集。同社は「ネットに同じ内容の書き込みがあり、出版時は筆者の特定は困難だと判断した。今回、読売新聞の指摘で初めて気がついた。誠意を持って対応したい」と話している。【高橋咲子】
毎日新聞 2009年4月20日 21時15分