5月11日、宮崎県庁で定例の記者会見が行われた。あとで知ったことだが、この日の記者会見から県政記者クラブ加盟社以外の報道機関からの質問も、受けるようになったとのことである。 さらに、「行政機関などに設けられている記者クラブ制度が、憲政史上、日本の政治、国全体を支えてきた部分は否めないと思う」と評価する一方で、「それが戦後60年たって何も問題視されないのはいかがか」と疑問を投げ掛けた。 以前、長野県知事だった田中康夫氏(新党日本代表)も、知事時代に県政記者クラブの改革を行っている。だがそれ以降、県政記者クラブ改革を行った知事は、私が知る限りいない。 ◇ ◇ ◇ 東国原知事:あなた方記者は、私が県民のみなさんに対して話していることを伝えなければならない。だが、はたしてきちんと伝えているのか。 記者:知事が話されたことがすべて記事になるわけではない。知事の話はこちらで編集して、記事として伝えている。 東国原知事:その記事の真意が、果たして県民に伝わっているのか。この定例会見以外にも報道関係者と歩きながらの取材に応じたりして発言はしている。そして、同じようなことを定例会見でも話している。時には話すことがないこともあるが、それでも定例記者会見は必要なのか。 記者:必要である。知事の話を県民に伝えなければならない。 東国原知事:そうであれば、私の言葉を一言一句すべて記事にしなさい。県民に伝える義務があるのであれば……。 ◇ ◇ ◇ どこのメディアの記者だったかは確認していないが、「私は県民の代表として、みんなが知りたいことを取材し伝えようとしている。知事はそれを否定するのか」とでも言いたげな展開に見えたやりとりであった。 確かに、記者の仕事は大変だ。ただ、取材される側からすればどうだろう。さっき廊下で歩きながら話したことは、報道各社、特に県政記者クラブに加盟している報道機関には幹事社を通して伝わっている内容もある。改めて場所を変えて、定例記者会見として同じ話をしなければならないと言うことに対して、「どげんかせんといかん!」と知事は考えたのではないか。 結構な広さがある部屋で、記者会見の場にもなっている。取材活動の便宜を図って県が貸している部屋であるが、はたして家賃等は支払われているのかどうか。この部屋も、事務事業見直しの対象になっているという。 6月5日に開会する定例議会で、知事がどのような議案を提出するのか、見守っていきたい。
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