小学生のころ、見るのも嫌いだった食用植物のミョウガ。好きになったのは、20歳を過ぎてからでした。年月を重ねれば、誰にでも嫌いだったものが好きになったり、逆に好きだったものが嫌いになることが一つや二つはあると思います。
鈴鹿通信部に再勤務してほぼ1年半。マシンの排気音に悩まされています。前回勤務した76年、鈴鹿サーキットの国際レーシングコースを疾走するフォーミュラカーの排気音は、甲高さが耳に心地良く響きました。
ところが、再びお世話になった07年秋以降、サーキットに立つと快音だったはずのエンジン音は、不快に感じるようになりました。30年を超す馬齢を重ねたためでしょうか。
今年10月、自動車レースの最高峰・F1日本グランプリ(GP)が3年ぶりに新装なった鈴鹿サーキットで開催されます。GPに備えてレース取材を重ねて「音慣れ」するのか、「心頭滅却すれば火もまた涼し」の精神で克服するのか、GPまで5カ月余り、どっちにしても大変です。【大原隆】
〔三重版〕
毎日新聞 2009年4月20日 地方版