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JNN(TBS系)

日立の冷蔵庫で「エコ偽装」、排除命令

 省エネ大賞を受賞した日立の冷蔵庫で、エコ偽装です。「リサイクルの材料を使って二酸化炭素を削減」と表示しながら、実際にはリサイクル材を使っていないことがわかり、公正取引委員会は排除命令を出しました。

 家電量販店にならぶ「省エネ」の文字。地球温暖化の影響が叫ばれるようになり、家電メーカーは競うように「環境への配慮」を全面に押し出しています。

 「こういう時代だから、“省エネ”のものがいい」
 「環境・エコ、その辺がポイント」(消費者は)

 こうした中で、消費者をあざむく新たな「エコ偽装」が明らかになりました。環境への配慮をうたった冷蔵庫のカタログ。日立製作所の100%子会社、「日立アプライアンス」のものです。

 【3年連続省エネ大賞受賞】
 【業界ではじめてリサイクル樹脂材を活用】(日立アプライアンスのカタログ)

 日立アプライアンスは、最新モデルの大型冷蔵庫9種類の断熱材にリサイクルの材料を使うことで、二酸化炭素の排出量を48%削減したとカタログなどで表示。経済産業省主催の省エネ大賞も受賞し、3月末までに15万台を販売、300億円を売り上げました。しかし・・・。

 「冷蔵庫ではトップシェアを有する会社。表示だけを先行させてしまう点は、どうみても問題は大きいんだと思う」(公正取引委員会 景品表示監視室 大元慎二室長)

 公正取引委員会によると、実際には一部の商品を除いてリサイクル材は使っておらず、削減した二酸化炭素の量も十数%だったといいます。そのためカタログなどの表示が景品表示法違反にあたるとして、日立アプライアンスに対し排除命令を出しました。

 「これだけ大きな会社が、我々が調べたかぎり、何ら確認が行われていない」(公正取引委員会 景品表示監視室 大元慎二室長)

 日立アプライアンスはJNNの取材に対し、「リサイクル材の利用は技術的に難しい部分があった。今後このようなことが起こらないようにしたい」とコメントしました。

 冷蔵庫の販売シェアナンバーワン企業による「エコ偽装」。環境大臣は憤りを隠しません。

 「今回の事案については激しい憤りを感じる。法律の厳正な適用で、リサイクルに出されたものがリサイクルされ、エネルギー効率の高い社会になるよう全力をあげたい」(斉藤鉄夫 環境相)

 今回の事態を受け、日立アプライアンスの「省エネ大賞」は取り消されました。(20日17:22)

[20日18時58分更新]

TBS NEWSi


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