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<冷凍技術>臓器保存から1次産業にも活用へ 千葉の企業

4月20日15時1分配信 毎日新聞


<冷凍技術>臓器保存から1次産業にも活用へ 千葉の企業

「ネギや白菜など、鍋の具材もそのまま丸ごと凍らせられます」と話す大和田哲男社長=永山悦子撮影

 幹細胞や臓器などの凍結保存に使う最先端の冷凍技術を使い、国内外の1次産業を支援する取り組みが進んでいる。解凍後も生と変わらない味を保つという性質を生かし、採れたてを産地で加工し、小売店や消費者への直接販売などを通して生産者の収入増を目指す狙いだ。

 取り組んでいるのは冷凍技術を編み出したベンチャー企業「アビー」(千葉県我孫子市)の大和田哲男(のりお)社長(65)。技術は国立成育医療センター、慶応大、国立天文台など国内外の研究者らとの共同研究により、再生医療で使う幹細胞や受精卵、臓器などの凍結保存のために開発された。

 一般的な凍結法では対象物に含まれる水分が氷の結晶を作って細胞を壊してしまうが、同社の技術は温度を下げる際、磁場などをかけることで氷の結晶を微細にして細胞の破壊を防ぎ、酸化や変質を抑える。これにより味や食感を保つことができ生野菜や果物、牛乳、生ガキも凍結・解凍できるという。

 大和田さんはこの技術を使った加工・凍結方法などを全国の1次産業従事者に指導。島根県海士(あま)町や鹿児島県宇検村は自治体の加工施設に導入し、海産物などの加工に取り組んでいる。

 昨秋には、東アフリカ各国の政府の要請を受けて訪問。アフリカでは冷蔵・冷凍設備が不十分で大量の農産物などが廃棄されており、技術提供とともに、ものづくりの指導にも取り組む計画だ。

 大和田さんは「日本でも1次産業従事者は平均年収200万円に満たない。農漁業の現場で冷凍技術を活用すれば、高品質のまま出荷できる。世界の1次産業復興に役立ててほしい」と話している。【永山悦子】

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最終更新:4月20日17時15分

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