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本業を放棄、新分野に進出する企業続出(下)

企業名の変更も視野に、ハイテク・高付加価値に重点

 主力事業の方向転換には共通点がある。全国経済人連合会の李承哲(イ・スンチョル)専務は「伝統産業からハイテク産業へ、低付加価値から高付加価値へ、生産中心から技術中心への転換、と要約できる」と述べた。

 暁星は過去には繊維産業が中心だったが、最近は技術集約的かつ高付加価値の超高圧変圧機やブレーカーを製造する重工業部門が主力となった。2001年には同社の売上高全体に繊維部門が占める割合は25%だったが、昨年はこれが14%にまで落ち込んだ。同じく営業利益も30%から11%に下がった。反対に重工業部門は、2001年には売上高全体の16%、営業利益全体の27%を占めていたが、昨年はそれぞれ20%、44%に増加した。繊維と重工業の占める比率が完全に逆転したのだ。

 総合商社も輸出入代行などの貿易中心業務から脱却し、付加価値が高い事業分野へと直接参入している。サムスン物産は最近、新リサイクルエネルギー事業を中心に事業展開を行っている。昨年9月に全羅南道珍島に8万6000平方メートルの敷地を確保し、3メガワットクラスの太陽光発電所を建設した。また、インドネシアでも汝矣島の面積の40倍に当たる農場を買収した。これは、今後バイオ燃料事業に進出するための事前準備だ。

◆変身できない親会社は子会社に吸収

 本業と主力事業を完全に放棄するケースもある。コーロンは本来繊維メーカーで社名の由来も「コリア・ナイロン」だったが、現在の(株)コーロンは繊維事業を行っていない。昨年4月に繊維部門を子会社化して「KFM」を設立したからだ。コーロンは現在、自動車の内装材やノートパソコンなどに使われる電子素材の生産など、精密化学を主力事業としている。

 企業の生まれ変わりは生存に直結する。ブラウン管用のガラスを生産していたサムスン・コーニングは、1995年に液晶用ガラス製造の子会社としてサムスン・コーニング精密ガラスを設立した。しかし2000年以降はブラウン管市場が事実上消滅したことから、同社は07年、子会社のサムスン・コーニング精密ガラスに逆に吸収合併された。

 延世大学経営学科の朴永烈(パク・ヨンリョル)教授は「世界的に見ても、長寿企業は米ゼネラル・エレクトリック(GE)のように常に変化を繰り返している。ただし既存の事業を無条件で切り離すよりも、得意分野の力量を土台として相乗効果を出すことのできる分野を、そのスタート地点としなければならない」と述べた。

曺中植(チョ・ジュンシク)記者

卓相勲(タク・サンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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