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本業を放棄、新分野に進出する企業続出(上)

企業名の変更も視野に、ハイテク・高付加価値に重点

 サムスンSDIは元の企業名が「サムスン電管」だった。現在の名称は1999年に変更されたものだ。SDIとは「Samsung Display Interface」の略語で、これは「コンピューターやモニターに利用されるディスプレーを製造する事業を本業、あるいは主力事業とする」という意味だ。同社ではこのSDIを「Storage Development Inc.」に解釈し直す方向で検討している。主力事業をディスプレーから2次電池、つまりエネルギー貯蔵(Storage)分野へと方向転換する動きが進んでいるからだ。

 2次電池はすでに昨年から同社の売上総額5兆3000億ウォン(約3400億円)の35%以上を占めるようになった。とりわけ営業利益ではプラズマディスプレーやブラウン管事業での多額の赤字を埋め合わせており、結果的に会社全体では1000億ウォン(約65億円)の最終黒字となった。そのため同社は今年1月29日、ソウル汝矣島で行った電機業界のアナリスト50人を対象とした企業説明会で、「今後わが社が力を入れるのはG(グリーン=クリーンエネルギー)、R(リサイクル=2次電池)、S(ストレージ=エネルギー貯蔵)の3分野だ」と宣言した。

◆企業のアイデンティティーも見直しへ

 企業が長い間本業としてきた事業を放棄、あるいは縮小して新たな事業分野へと進出するケースが、ここ最近になって急激に増え始めている。産業構造や経営環境が急激に変化する現在の状況では、成長が見込まれる事業をどのようにして新たに発掘し、それに対応するかによって、企業の将来の明暗が分かれるという認識が広まっているからだ。

 東洋製鉄化学はわずか数年前までベンゼン、カーボンブラック、過酸化水素など工業用化学製品の原料を主に生産する企業だった。しかし現在は、太陽電池の素材となるポリシリコンを生産する新リサイクルエネルギー企業として完全に生まれ変わりつつある。昨年3月には全羅北道群山市でポリシリコン工場の稼働を開始した。今年前半と後半にそれぞれ年間1万トンの生産が可能な第2、第3工場の稼働が始まる。ここ2年で同社が新たに建設あるいは増設した工場は、すべて太陽電池関連素材の工場だ。これまで主力事業としていた石油化学製品関連の新工場建設や増設は、まったく行われていない。

曺中植(チョ・ジュンシク)記者

卓相勲(タク・サンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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