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万里の長城2千キロ長かった 総延長は8851.8キロ

2009年4月19日19時7分

写真:大勢の観光客で埋まる万里の長城大勢の観光客で埋まる万里の長城

図:  拡大  

 【北京=坂尻顕吾】「万里の長城の総延長は8851.8キロに上る」。世界文化遺産にも登録され現存する部分が多い明代(1368〜1644年)の万里の長城について、中国政府は建国以来初めて大規模な測量結果を公表した。

 調査は「万里の長城保護プロジェクト」の一環として国家文物局と国家測量局が07年5月から08年末まで実施。その結果、れんがなどで造った「人工壁」は全体の約7割に当たる6259.6キロで、残りはがけなど天然の地形を利用しており、総延長は8851.8キロと確定した。東端の遼寧省から西端の甘粛省まで10の省や直轄市、自治区にまたがっていた。

 それぞれの長城の長さを足し合わせれば1万2700里(6350キロ)となることから「万里の長城」の名が付いたとされるが、これまで総延長を確定するような大がかりな測量がなされていなかった。今回は天然壁の部分も含めたことから、2千キロ以上も長さが延びたようだ。

 ただ、自然災害のほか道路や鉄道などの公共工事の影響で、人工壁の約3割は既に消滅。原形をとどめていない部分が多く、れんがなどの保存状態が良い部分は8.2%(513.5キロ)しかなかった。北京市の八達嶺(はったつれい)長城や甘粛省の嘉峪関(かよくかん)などはこのうちの一部で、観光地として公開されている。中国政府は今後、秦代や漢代などの長城も総延長を調査する。

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