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「セメント使用量、今年は韓国が日本を上回る」

 「日本の市場では、政府の強力な景気浮揚策の効果が今年秋から現れ、景気が好転し始めるだろう。韓国は日本より一足早く回復すると思う」

 今月16・17日の二日間、ソウルで開かれた韓日経済人会議に参加するため韓国を訪れた太平洋セメントの鮫島章男会長(70)=写真=は、「今年夏ごろ、日本の景気が底を打つ」という趣旨の発言を行った。日本第1位のセメント企業である太平洋セメントは、韓国第1位のセメント企業である双竜洋灰の大株主だ。

 「韓国の内需市場の回復速度は日本よりも早い。セメントの場合、韓国は物量の面で既に回復傾向を示している。今年は史上初めて、韓国のセメント使用量が日本を上回るだろう」

 韓国のセメント市場は昨年と同様、5100万トン規模を維持するのに対して、日本は4800万トン規模にとどまるだろうと説明した。鮫島会長は、世界的な不況への対応策として「労使の協力」を強調した。「労使が協力して不況を理解し共に対抗してこそ、耐え抜くことができます。労使協力ができなければ、不況を克服するのにかなりの時間がかかるでしょう」

 太平洋セメントも世界的な不況により、2009会計年度(08年4月-09年3月)は売り上げ8800億円、損失280億円を記録した。鮫島会長は「不況のときに費用節減で耐え抜けば、好況のときにそれだけ利益を増やせる。今月末に日本国内で16の営業所を閉鎖する予定でいるほか、今月初めには、サンシン電機インターナショナルといった電子部品関連の子会社6社をすべて売却した」と語った。

 鮫島会長は、韓国のオーナー経営文化は社員の帰属意識を土台としたものであるべきだ、と忠告した。「“オーナー経営”は、“オーナーがいなければ会社が成り立たない”ということなら問題があるが、経営者が中心に立って責任を負うという意味なら大丈夫だろう。全社員が自分の会社だという思いを持ってこそ、会社は成長できる」

 鮫島会長は、70歳という高齢にもかかわらず、毎月1度は韓国を訪れ双竜洋灰の経営をチェックするほど、双竜洋灰に対し格別の愛情を抱いている。「今年は双竜洋灰が赤字を脱出するものと期待している。不況であるだけに、双竜洋灰の株式を追加で引き受ける計画はない」。双竜洋灰の昨年の売り上げは1兆1720億ウォン(約874億円)で、1680億ウォン(約125億円)の赤字を出した。

ソン・ホチョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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