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【社説】「ソウルは軍事境界線から50キロ」北朝鮮の脅し(下)

 韓国近海で北朝鮮の船を停戦させ捜索することは、2005年8月に採択された南北海運合意書にも規定されている。北朝鮮式の論理ならば、自分たちが同意した合意書まで自国に対する宣戦布告と見なさなければならない矛盾に陥る。

 北朝鮮は16日、韓国側に「開城工業団地に関する重大事案を通知する」として、21日に南北接触を持つことを提案してきた。北朝鮮は韓国のPSI参加などを口実に開城公団の正常な運営が困難になるほどの制限を加えてくる可能性がある。北朝鮮は現代峨山の社員を21日間にわたり、面会も認めないまま拘束している。

 北朝鮮が南北接触を提案したのは、韓国政府が14日にPSIへの全面参加を決めたものの、15日に発表を保留した直後だ。韓国政府は北朝鮮側の接触提案を受け、19日に予定していたPSI参加発表を再び延期した。国家安全保障に直結した政府の政策が文字通りに右往左往している。

 北朝鮮は韓国政府部内の混乱を見て、挑発をしても構わないと考え、「ソウルは火の海」式の脅迫を再び持ち出した。また、自分たちが年間3400万ドル(約33億7600万円)を稼いでいる開城工業団地の運命を脅かし、拘束中の関係社員との面会を求める韓国側の求めにも応じていない。

 韓国政府は対北朝鮮政策と韓米同盟全般を再点検しなければならない。北朝鮮の言葉による挑発は臨界点を超えており、次は挑発を行動に移すことになる。韓米は北朝鮮が行動の段階に進めないようにクギを刺さなければならず、北朝鮮が韓米の意思をはっきり理解できるように具体的な対応策を示すべきだ。PSI参加問題も、北朝鮮の脅迫によって右往左往するのではなく、冷静な戦略的得失判断に基づき、慎重に決定すべきだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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