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【社説】「ソウルは軍事境界線から50キロ」北朝鮮の脅し(上)

 北朝鮮の朝鮮人民軍総参謀部報道官は18日、先ごろのロケット発射に対する国連制裁と韓国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への参加を「われわれに対する露骨な宣戦布告」だとした上で、「われわれの革命武力の打撃力には限界がない。ソウルが軍事境界線までわずか50キロほど(の場所)にあるということを忘れてはならない」と語った。1994年の第1次核危機で「ソウルを火の海にする」と述べたような脅迫を再び持ち出してきたことになる。

 北朝鮮は軍事境界線一帯に韓国の首都圏を射程距離に入れる170ミリ自走砲と240ミリ放射砲約1000門を前線配置している。韓国軍の分析によれば、これら長射程砲は1時間当たり7000-1万6000発の砲弾を浴びせることが可能だ。

 韓米連合軍も北朝鮮が長射程砲による攻撃を敢行すれば、直ちに北朝鮮側を全面攻撃する能力を備えている。このように軍事的にも拮抗(きっこう)している状況では、たとえ言葉によるものであってもみだりに挑発を行うべきではない。北朝鮮の発言は彼らがいくら合理的には理解できない集団だとしても、到底容認できない暴言だ。

 北朝鮮は暴言の理由として、自分たちの長距離ロケット発射に対する国連制裁と韓国のPSI参加を挙げた。しかし、北朝鮮のロケット発射は中国とロシアをはじめとする国際社会全体が反対したことだ。それでも中国とロシアは新たな対北朝鮮制裁決議に反対し、それより一段階低い安保理議長声明という形を選んだ。

 中国とロシアも議長声明には同意し、2006年に示された国連安保理決議1718号に規定された対北朝鮮制裁の実施計画が推進されている。北朝鮮は国連制裁が不当だと韓国を脅迫する前に、自分たちの後見人の役割を果たしてきた中国になぜ安保理議長声明に同意したのかを聞いてみるべきだ。

 韓国のPSI参加が北朝鮮に対する宣戦布告だという主張も話にならない。北朝鮮が核やミサイルなどの武器を他国に輸出したり、関連する物資や技術を北朝鮮に持ち込んだりしなければ、PSIを恐れる理由はない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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