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漢検正副理事長は「背任」 資産流出を認定 内部調査委(1/2ページ)

2009年4月15日

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 日本漢字能力検定協会(京都市下京区)が、大久保昇理事長と長男の浩副理事長の経営するファミリー企業4社に巨額の業務を委託している問題で、協会の内部調査委員会は、2人が理事会・評議員会の承認を得ないまま取引を主導したと認定、刑法の背任罪に該当するとの見解を示していたことがわかった。「重大な任務違背で、資産の外部流出を招いた」と指摘した。取引当初からの委託総額は約251億円に達するが、協会は中核2社との取引継続を含む独自の改善報告書を、15日に文部科学省へ報告する。

 協会関係者によると、協会は文科省からの改善指導を踏まえ、2月に元検事の弁護士や公認会計士ら5人による内部調査委員会を設置。内部調査委は協会の決算書や契約書などを分析し、経営上の問題点を指摘した報告書を4月初旬にまとめた。

 調査委の報告書などによると、協会は税制上の優遇措置を受ける財団法人となった92年から、理事長父子がそれぞれ代表を務める4社と順次、取引を開始。検定受検者の増加に伴って協会からの業務委託額も膨らみ、08年までに計250億9千万円に達した。

 こうした実態について、調査委は報告書で「権限が集中した理事長父子が、取引のすべてを決定し、本来協会に保存されるべき資産が外部に流出するという事態を招いた」と批判。民法上の規定では、財団法人役員が経営するファミリー企業との取引は理事会・評議員会の承認が必要だが、2人は事前に承認を受けておらず、背任罪の構成要件となる「任務違背行為」に該当すると結論づけた。

 これに対し、理事長側は調査委に「認識不足で法令上必要な手続きを取らず4社と取引した」と認めたが、「いずれも合理性があり、財産の不当流出はない」などとする反論コメントを作成。過去の取引に問題がなかったとして、10日の理事会・評議員会で、取引の事後承認議案を提案し、可決された。うち2社との取引継続も承認された。

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