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母親ら 感謝の集い

2009年04月19日

写真

助産所で産まれた子どもたちに囲まれ、記念撮影する芝田和美さん(中段左から2人目)と杉山泰子さん(同左端)=高の原カトリック礼拝堂センター

  ◆「精神的な支え」「安心できた」

   ◎奈良の助産所「わ」10周年

 奈良市朱雀1丁目の助産所「わ」が昨秋、10周年を迎えた。取り上げられた赤ちゃんは533人。10年間、携帯電話を肌身離さず持ち歩き、旅行もほとんど行けなかった助産師さんに感謝の意を表したい――。「わ」で子どもを生んだお母さんや家族約230人が18日、感謝の集いを催した。

 「わ」は、生駒市の芝田和美さん(56)が98年10月、住宅街の民家に開設した。芝田さんと、06年から働く杉山泰子さん(43)の2人の助産師と嘱託医2人で運営。年間50〜70件のお産を扱う。

 集いを開いたのは、「わ」でお産をしたり、母乳指導を受けたりした母親たちのサークル「わははの会」。産後の交流を目的に01年に立ち上げ、現在約70家族が参加。年4回ほどイベントを開いている。

 京都府木津川市のデザイナー、今吉ほなみさん(37)は第1子を病院で産んだが、顔を見ずにする機械的な検診が苦痛で、「もっと自然なお産の形があるのでは」と助産所に行き着いたという。「『わ』に行くたびに先生とお産の喜びを分かち合えた。不安になりがちな妊婦を精神的に支えてくれた」と感謝する。事務局を担当する三井知子さん(37)も「知っていたら第1子から芝田先生のところで産んでいた。健康な妊婦さんが助産所に流れれば、大病院は難しいお産に集中でき、医者も助かるのでは」という。

 近くの野外礼拝堂センターであった集いでは、母親や子どもたちが広場に「輪」になって、芝田さんらに「先生がいたから乗り切れた」「安心感を与えてくれた」など感謝のメッセージを贈った。片道1時間以上かかる所に行くのは控え、いつでも助産所に戻れるように気をつけてきたという芝田さんは「助産所はお産をするだけでなく、命の大切さを考え、平和や環境、人の輪を育む所。10年たち、その輪がこういう形になって感動しています」と話した。

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