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霞ケ浦コイ養殖再開へ |
2009/03/03(火) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁 |
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KHVから5年余、研究で生存率向上
コイヘルペスウイルス(KHV)感染で養殖ゴイが大量死した霞ケ浦・北浦で、4月にも養殖が再開できる見通しとなったことが2日、分かった。2003年の発生以来、5年余り。県が養殖自粛要請を解除する。KHVに強い耐性を持つコイの研究が進み、技術的条件が整ったため。国内最大の養殖ゴイ産地の復活に向け、関係者の期待が集まる。
霞ケ浦・北浦でのKHV発生を受け、県は06年、内水面水産試験場(行方市)で耐性コイの研究を始めた。水温を一定時間、32度まで上げて「昇温処理」することでコイが耐性を持ち、生存率が約九割に高まる結果が得られた。
また、養殖コイのえさやふんが霞ケ浦の水質に影響を及ぼすのではないかとの指摘に対し、漁協側は養殖場の網いけすの数を感染前より半減させる計画を県に提出した。これらを踏まえ、県は4月にも養殖自粛要請を解除する方針。
霞ケ浦・北浦の食用養殖コイの年間出荷量は、00年には全国の約半分を占めた。しかし、03年の感染で約1190dが大量死。生き残ったコイ約2460dも、持続的養殖生産確保法に基づく県の全量処分命令を受け、すべて処分された。
養殖自粛要請が04年4月に出て以降、コイ養殖業は長期休業状態でいる。一部業者はほかの魚種に切り替えるなどしたが、約60あったコイ養殖業者は感染前からほぼ半減しているという。
KHVは死亡率が高いが、コイ以外には感染せず、感染したコイを人が食べても影響はない。日本での感染は霞ケ浦・北浦で確認されたのが初めて。発生すると、持続的養殖生産確保法で焼却や移動制限の対象となる。
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