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郵便法違反:返送先「ベスト電器」 日本郵便、黙認の疑い

 障害者団体向けの郵便割引制度を悪用した郵便法違反事件で、障害者団体名で発送されたダイレクトメール(DM)の配達できなかった時の返送先が広告主の大手家電量販会社「ベスト電器」となっていたことが18日分かった。窓口の郵便事業会社(日本郵便)で手続きされており、大阪地検特捜部も日本郵便での家宅捜索で関係資料を押収。日本郵便が本来、障害者団体が返送先になっているはずの違法DMを黙認した可能性が高いとみて、日本郵便社員から聴取を既に始めており、郵便法違反容疑での刑事責任追及を検討している。

 特捜部などによると、ベスト電器の違法DMは広げると家電製品の紹介チラシになる封筒で、代表者らが逮捕された障害者団体「白山会」や「健康フォーラム」の刊行物を偽装していた。07年2月、日本郵便の新東京、銀座の両支店から割引料金で計約210万通送られた。

 日本郵便によると、郵送先が多数となる大口のDMの場合、転居などの理由で配達できなかった時は、発行元に返送される仕組み。今回は障害者団体向けの割引制度を使っており、返送先は本来、発行元の障害者団体となる。ところが、実際のDMには返送先は広告主のベスト電器と記載されており、実際にベスト電器に返送されたDMもあったという。

 割引制度を利用する場合、日本郵便側は郵便物の内容や返送先などの表示を事前にチェックすることが郵便法などで定められている。ベスト電器の違法DMは07年1月ごろ、埼玉県の支店に持ち込まれたが、発行元と返送先が異なるため、発送を差し止められていた。翌月、白山会会長の守田義国容疑者(69)が民主党の牧義夫衆院議員(51)=愛知4区=に陳情し、秘書が日本郵便に同行した。その後、東京都内の2支店で発送が可能になったという。

 違法DMの内容が家電商品の紹介チラシであることに加え、返送先がベスト電器に設定されていることから、特捜部は日本郵便側が違法DMの割引を許可した経緯に着目している。【林田七恵、久保聡】

毎日新聞 2009年4月19日 2時30分(最終更新 4月19日 2時30分)

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