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柏崎刈羽原発、運転再開遅れる見通し 火災で知事表明

2009年4月13日15時5分

 07年7月の新潟県中越沖地震で停止中の東京電力柏崎刈羽原子力発電所(同県柏崎市・刈羽村、全7基)で11日午後10時20分すぎに発生した火災は、約2時間後に鎮火が確認された。運転再開に前向きな姿勢を示していた泉田裕彦知事は、21日に県議会全員協議会に再開を諮る予定だったが、火災を受けて13日午前、「延期したい」と表明。月内にも見込まれていた運転再開が遅れる見通しとなった。

 市消防本部と東電によると、火災は敷地内の防護区域外の予備品倉庫で発生。空調機のモーター付近が何らかの原因で過熱して出火した可能性が高いという。ベルトや配線などが焼けた。建物に被害はなく、外部への放射能の影響もないという。

 同地震後の同原発内での火災は、復旧作業中の7件と落雷による1件を含み9件目と相次いでいる。市消防本部は3月5日に1号機建屋で作業中に発生した火災を受け、東電に同原発での火気作業と危険物取り扱い作業の禁止を命令。東電が作業の改善計画書を提出したことを受け、同27日に解除したばかりだった。

 同原発は地震で被災後、全7基が運転停止。東電は2月19日、目立つ被害のなかった7号機の運転再開を県と地元2市村に申し入れた。泉田知事は今月7日、「運転再開に向けた前提条件の安全性はおおむね確保されている」として運転再開に前向きな姿勢を示していた。知事は13日午前、報道陣に対して「大変遺憾だ」としたうえで、延期する全員協議会の日程については「原因を明らかにして、どう対策をとったのか、よくみてから判断したい」と述べた。

 一方、運転再開をすでに容認していた会田洋・柏崎市長は同日、「同意は撤回しない」と話した。

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